2011年12月03日


ケーキの面積(科学)

今年もクリスマスが近づいて色々なケーキや、ケーキのふりをしたムースのかたまりが売り出されているが予約用の広告を並べている中で我がクイーン・アンがふと気がついたことがある。直径13センチと直径15センチの二つのケーキ、これを合わせた値段が直径24センチのケーキの値段と同じだったのだ。ふつうに考えれば同じ値段だったら二つ買うよりも一つ買うほうが大きくてトクに決まっている。なのだがとっさに答えが出てこなかったのはどうも数字と離れているのかもしれず、どうやら芥子をとってくれと言っている場合ではないようだ。

例のごとく、こういう計算は誤差を承知でなるべく単純化した方が分かりやすい。一般的にケーキの号数はサイズ×3が基本だから先のケーキであれば4号と5号、それに8号の大きさを比べればいいだろう。高さはすべて同じであれば無視できるとして、上面積だけを対比する式をつくってみる。4号の直径はAセンチ、5号はBセンチ、8号はCセンチで計算すると

 (A÷2)×(A÷2)×π + (B÷2)×(B÷2)×π : (C÷2)×(C÷2)×π

長ったらしく書いているのは実際には頭の中だけで計算しているためである。
これを前項後項とも共通因数(π÷(2×2))でくくってみよう。
因数分解の基本中の基本だから公式なんて必要ない。

 (π÷(2×2))×(A×A+B×B) : (π÷(2×2))×(C×C)

で、前項と後項を共通因数の(π÷(2×2))で割って消してしまう。

 A×A + B×B : C×C

つまりケーキAの直径×直径+ケーキBの直径×直径と、ケーキCの直径×直径を比べればいい訳だ。だがこれをそのまま解くにはまだ電卓やそろばんが必要だろう。13の自乗が169で15の自乗が225なのは暗記しているが24の自乗は覚えていない。もちろん3の自乗と8の自乗をかけた数だから64の9倍、としてもいいのだがなるべくむつかしい計算はしたくないのだ。そこでケーキの直径は号数×3だからケーキAの直径を12センチと仮定してしまう。この場合ケーキABCの直径の関係はそのまま4対5対8になるから

 4×4 + 5×5 : 8×8

つまりケーキの直径が号数×3であるとすれば計算ではなく九九で考えることができるので、この組み合わせなら4号+5号に比べて9号はおよそ1.5倍近くも大きいことになる。実際には1.5倍足らずとはいえ概算ならこれで困らないだろう。唯一の救いはケーキが二つあれば上に乗っているサンタさんも二つになるということだろうか。

因数分解ができると大きなケーキが食べられるというお話。
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