2009年01月28日


BCP(社会)

 昨今よく聞くかもしれない言葉にBCPというものがある。ビジネスコンティニュティープラン、事業継続計画のことを指している。
 世の中には予測がつかない災害とか事故といったものがある。昔から地震カミナリ火事オヤジというように、いくら予防してもカミナリオヤジが怒鳴りちらす可能性をゼロにはできない。もしもそんな災害や事故があった場合にあなたの会社はきちんと仕事を続けてくれますか、という要望にこたえるのがBCPという訳だ。もちろん完璧にとはいかないが、計画がなければ行き当たりばったりでしかないだろう。

 という訳ですごくかんたんな説明をしてみる。

 事業継続計画、BCPをつくるにはまず最初に自分の会社で守りたいものが何かを考える。そしてこれらを脅かすものに何があるかを考える。例えば業務の継続や従業員の安全を考えた場合、首都圏直下型地震なんてものが発生すればそれらを脅かすだろう。
 で、そうしたリスクについてどの程度の規模なら何日間で復旧させるといった目標を決める。例えば安否確認や避難の方法、他の地域で業務を再開させる方法なんかを決めて、そのための計画を立てる。そして必要な資料やシステムや人を用意すればだいたいのBCPができあがる訳だ。もちろんこんな偉そうなことを書いたところで結局は扱う人間がすべてだし、脳みそしだいでどうにでもなってしまう。

 ご承知のとおり、日本という国では地震や水害その他災害が起こる。大規模なものには政府が対策本部を設けて自衛隊を派遣したりその他もろもろの指揮をとるのだが1995年1月、阪神淡路を震災が襲った際には眉毛の長い時の総理大臣が「なにぶん初めてのことだから」とノンキに出勤、レスキュー隊も派遣せずに海外から来た救助要請は受け入れ態勢がないと言って断ってしまった。カテリーナ時の大統領や四川大地震の中国の対応をどうこう言えないのだ。
 後に神戸市が作成した災害対策マニュアルには自分たちの苦々しい体験を経た、愚かしい犠牲は減らそうという決意が込められている。復興の火や光のイルミネーションは確かに美しいが、一冊のマニュアルに込められた思いだって充分に美しい。その美しさこそBCPの鍵であろう。
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