2009年06月22日
障害(社会)
システムには障害や異常がつきものだ。もちろんシステムというのは機械やコンピュータがぴこぴこ動いているものだけを指しているのではなくて、辞書にもあるとおり制度や組織、体制のことを指している。障害があれば報告して、現象と影響を確認して対応を行ったら原因をもとに対策を考える。このあたりどんなシステムでも、やることに大きな違いはない。風呂場にカビが生えるという現象があって、カビキラー(c)ジョンソンで掃除するのも立派な障害対応だ。
障害というものをあえて分類してみるのであれば、いくつかの種類が考えられるだろう。似たようなものとそうでないもの、影響が大きいものと小さいもの、よく起きるものと滅多に起きないもの、そして以前に起きたものとそうでないものといった感じだ。こうして分類した障害には、あらかじめ備える方策を考えることもできるだろう。
例えば風呂場がカビる、という現象があればあらかじめ掃除をして、風通しを良くして乾燥させておくといいだろう。カビだって植物だから養分も水分もないところに生えはしない。梅雨どきになればカビが生えるというのであれば湿気にはたびたび気をつけなければいけないし、ウチの風呂場は年中まだら模様をしていますという人はもっと根本的なところからやり直した方がいい。ホテルの風呂場が年中まだら模様をしていますというなら、これはなかなか豪気な宿だ。
いかに季節柄とはいえホテルの風呂場でカビが生える、梅雨になると毎年生えるのであればこれはなかなか問題だろう。そうならないためにもなんらかの対策が必要になってくる。風呂場を風通しのよい構造にするといった設備投資もあれば、毎日の掃除と点検を怠らないといった運用手順の確立でもいい。そしてこうした設備や手順を用意することを基礎構造や基盤の整備、インフラストラクチャーの整備という。設備が古くなれば問題が起こりやすくなるし、手順を怠れば問題を防ぎにくくなる。インフラストラクチャー、通称インフラの整備が滞ると色々な問題が登場することになるだろう。基盤とは土台であり、土台が傾けば建物も傾いてしまうのである。
どれほど綺麗な建物でも、土台が傾いていたらとても使えたものではない。これが国であれば社会基盤や経済基盤の指標として、失業率や企業の設備投資額を算出することも多い。そして国力の減退とは作業ミスとか手抜き工事の増加件数に比例するものである。
エレベーターが落ちたりクレーンが倒れたりタラップが外れたりする。嘆かわしい世の中だねと慨嘆する人たちが、失業率や設備投資額の減少傾向にはどれほど気を配っているだろうか。
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