2009年10月08日


安心宣言(社会)

 神戸市で5月にひとまず安心宣言が出された新型インフルエンザ、その後の事情はご存知の通りでウイルスは世界中を席巻している。ちなみにこの新型ウイルス、既存のウイルスとの最大のちがいが一点あって、高温でもなかなか死滅しないという特徴があるのを知っているだろうか。ようするに夏になっても終息しにくいという訳だが、もちろんウイルスは寒さに強いから冬になれば猛威を振るう、その事情は変わらない。中米に端を発して北半球で流行したインフルエンザが、7月8月になってオーストラリアに蔓延したのは南半球が冬に入ったからで、これからは北半球が冬になるから今度はそちらで流行るだろう。

 これに備えて政府では7000万人分を超えるワクチンを国内外から用意して接種を薦めるつもりでいるが、誰を優先するとか海外のワクチンは副作用がどうとかちょっとした騒ぎになっている。ところでウイルスとはどういうものかといえば、生き物の細胞に入り込んで複製を作るという存在で、分類上は生物とはされていない。宿主に悪い影響を与えるウイルスが病原性ウイルスという訳だ。目鼻口といった粘膜部に付着したまま放っておくと感染するが、洗えば流してしまうことができる。
 ではワクチンとは何だといえば、わかりやすく言えば弱いウイルスを接種することで宿主に抗体をつけようというものだ。抗体さえできてしまえばそのウイルスに耐えられるようになるが、弱いとはいえウイルスだから人によっては悪影響が出ることもあるし、死滅しないように色々な措置をほどこす必要もある。この辺の保存措置の基準が日本と海外では違うので、副作用の不安があると言っている訳だ。

 さてここまで読んで、これがどれほどひどい話か分かるだろうか。

 世界中を席巻しているウイルスに対してワクチンを輸入している国がある。5000万人分もある、そのワクチンは別に余っていた訳ではないから金を出して買わなければならない。これから冬が近づいて、インフルエンザが猛威を振るうのは安心するまでもなく予想できるが死滅せずともウイルスが弱まる夏に予防できない人が、冬に予防できる筈もないではないか。
 ウイルスが粘膜に付着してから感染するまで、短くても二時間程度はかかるという。世界中のたいていの国では二時間以内にうがいをして手洗いをする場所にたどりつくことができないが、蛇口をひねれば飲むことすらできる水が流れる国も世の中には存在する。石鹸なんてものは薬用どころか網につるされたレモン石鹸でも問題ない。薬用石鹸というのは単なる商品名で、レモン石鹸でウイルスは洗い流せてしまうのだから。

 札束で頬をたたいてなけなしのワクチンをかき集める。並べてみれば国産がいいと文句を言う。これだけ水が流れているこの国で、そこまでして手を洗うこともうがいをすることも嫌なのかと問うてみたい。
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