2013年10月14日


ピョンちゃんへの道(社会)

 2014年に開催されるソチ五輪の聖火が消えてライターで再点火されたという話が聞こえているが、記憶では聖火が消えたことは過去にも何度かあって一緒に走っている種火から再点火する、ことになっていたと思うが問題は差し出されたライターがギリシア製であったか否かということだ。個人的には沿道の人に助けてもらった火だって聖なる火ではないかとも思う。
 そんなソチ五輪の次に控えているのが噂の?平昌五輪である。過去失敗したオリンピックといえばソルトレイクの政治ショーが最悪ではないかと思ってしまうが、それとはまったく違う意味で不安が取りざたされている大会だ。開催国はせっかく招致したF1グランプリを沿道の芝が舞うラリーコースに変えてしまった韓国だけに無責任な不安の声にも根拠があるような気がしなくもないでもない。

 これが世界王者も輩出しているフィギュアスケートの世界選手権をやりますというならさほど困ったことはないが、オリンピックというからには他にも競技はたくさんある。雄大な雪景色で争うクロスカントリーや急坂な斜面を滑降するスキーにボード競技、ボブスレーなど特に専用のコースが必要な競技もある。なにしろ雪や氷がないとできない種目が圧倒的に多く、夏の大会に比べて競技フィールドそのものに専門性が求められるのが冬期大会の特徴だ。
 で、例えば長野五輪でも苦労したそうだがそれまで競技文化がなかった種目のコースや設備をつくるとなれば、設計のノウハウもないところから始めないといけない。日本の場合はスキーやスケートをする人はいたがボブスレーをする人はほとんどいなかったから、専用コースをつくるのは相当大変だっただろう。これが韓国になると積雪の覆い国境周辺は北朝鮮に近くなるというもっともな理由もあって、スケートに比べるとスキー文化は限定的になる。

 ちなみに開催予定地の平昌周辺にはいくつかスキー場があるのだが、ボブスレーやリージュはもちろん大回転やジャンプといったスキー系のコースもほとんど新しく設営することになっている。もちろん建築計画は建てていて、大丈夫かという話が出るのは過去よその国の大会でも同様だ。
 この件では先日、隣国北朝鮮がスキー場を設営して共同開催を呼びかけるも、韓国側が退けたという話題もあるが、五輪は単独都市で開催というIOCの原則らしきものがあるから韓国の回答自体は不思議ではない。とはいえ北朝鮮の方が雪が多いしもしも成功すれば戦争状態の両国がスポーツの祭典を開くわけでなかなか意義があったのは間違いない。

 他にもそもそも積雪は足りるのかとか現地のスキーリゾートが早くも経営破綻寸前で開催もその後も大丈夫かとかちょっとした問題は山積みされているが、実のところ一番の問題はソウルから現地まで敷設する予定だったという高速鉄道KTXの計画が白紙になったことだろう。大統領の出身村には伸びるKTX、これがないと当初68分の予定だった平昌まで数時間を車で移動しなければならないのだが、もちろんこれは渋滞がないことを前提にした数字である。
 基本的にオリンピックは地方自治体が名乗りを上げて国がバックアップするのが大前提で成立する大会なのだが、平昌五輪の不安は現地までの交通網という出だしの部分で揺らいでいる「国民と政府がバックアップできるか?」ということに尽きる。プーチン大統領が工期の遅れを自ら監督に乗り出したとか、森元首相が組織委員会の責任者に上がるような「肝いり」があるか、自分の乏しいソースでは平昌群のある江原道議会からの報道ばかり聞こえるのが気になるところではある。

 だってソチ五輪のニュースでプーチンが鉄道敷設中止を表明してあとはソチ議会からの報告ばかりだったら不安だよね?
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