海ことり 「ことりまめ知識。ニュウナイスズメの『にゅう』とはホクロのことで、黒いはんてん模様がないスズメという意味ですぴよ。」 |
海ことり 「ことりまめ知識。スズメの体重は20g程度ですがジュウシマツやメジロは10gくらい、エナガやキクイタダキやミソサザイは6gくらいしかありません。ためしに一円玉を6枚ほど用意してみるとそれがエナガぴよ。」 |
海ことり 「ことりまめちしき。ことりではありませんがオシドリのオシは愛ヲシからとられていて、とても仲むつまじい鳥ですからオシドリと呼ばれていますぴよ。」 |
海ことり 「ことりまめちしき。鳥さんは眠るときはいわゆるノンレム睡眠をしているのですぐに目がさめますが、右脳と左脳を交互に眠らせることもできて渡り鳥さんなんかは半分ずっこで眠りながら空を飛ぶことができます。でもヒナはとてもよく眠りますぴよ。」 |
海ことり 「ことり豆知識。ヒワは漢字で鶸と書くとおりひ弱で繊細な鳥という意味で、古語でいうヒハヤカとかヒワヤカが語源になっています。大きな音を聞いただけでびっくりして落ちてしまうとか、コロコロした鳴き声が弱々しく聞こえるからとか言われてますね。あとはカワラヒワとかマヒワとかいますけど、ヒワという名前の鳥はいないのでヒワ亜科の鳥を総称してヒワと読んでいるぴよ!」 |
海ことり 「ことり豆知識。鳥のヒナにごはんがたくさん必要なことは知られていますが、たとえばシジュウカラであれば体長2cmの虫でだいたい5000匹くらい必要になりますぴよ!」 |
海ことり 「ことり豆知識。鳥さんの英語名は和名に比べるとアン・シャーリーが怒り出すくらい想像力に欠けるものが多いですね。代表的なのがサンコウチョウ(月と星と日の三つの光)が英名でパラダイスフライキャッチャー(極楽ハエとり)とか、ウグイスだとブッシュワーブラー(茂みで鳴くもの)とかカワセミは漢字だと翡翠(ひすい)と書くのに英語だとキングフィッシャー(漁師の王様)とか。例外的に英名のほうが美しいのはアルバトロスくらいでしょうかぴよ。」 |
海ことり 「ことり豆知識。前回に続いて鳥さんの英語名ですが、日本名とあまりちがわないものとしてはキツツキがウッドペッカーで木をつつくもの、メジロがホワイトアイで目のまわりが白いです。ライチョウはサンダーバードでなくターミガンという固有名がついていますぴよ。あとはカッコウが鳴き声そのままカッコウですが、英語名でもcuckooでカッコーの鳴き声そのままぴよ!」 |
海ことり 「誕生鳥と鳥言葉というサイトを見つけまして調べてみましたら海ことりの生まれた日の誕生鳥はカワセミで鳥言葉は夢のような美しさだそうですぴよ。ちなみにカワセミは漢字だと翡翠(ひすい)と書くのは先日お話しましたが、実はカワセミを翡翠と書くのが先で宝石のヒスイは日に当たったカワセミのように美しい宝石という意味で翡翠の漢字と名前を当てられたということり豆知識ぴよ!」 |
海ことり 「ことり豆知識。カナリヤはカナリヤ諸島の近くで見つかった小鳥ですがとてもきれいな声で鳴くのでヨーロッパに連れてこられましたけれど最初は修道院がひとりじめするためにこっそりオスだけを飼ってましたがイタリアの人がメスのカナリヤを見つけてからその後は世界中に広まりました。ことりをひとりじめするべきではないという教訓が含まれていますが聖職者でさえもことりはひとりじめしたくなってしまうのはしかたありませんがカナリヤという名前自体はラテン語で犬の島という意味だったりしますぴよ。」 |
海ことり 「ことり豆知識。フィオナさんとなまこさんにコメントを頂きましてせっかくですのでカナリア話ですが当初カナリアは修道院にひとりじめ(ことりじめ)されていて値段が高騰していましたが、イタリア人がメスを流通させるとイギリス人は外見がきちんとした品種を、ドイツ人は鳴き声がきれいな品種を育てたそうでなんとなく彼らの性格がうかがえてしまいます。その後日本も含めて世界中に広まったカナリアですが個人的に覚えている話では赤毛のアンシリーズの『虹の谷』で牧師館のフェイスがカナリアをプレゼントしてもらうエピソードがあって、修道院や貴族や武士や商人のものであったカナリアがこの頃には子供がペットとして育てるのも不思議はなかったということで数百年をかけて人間に愛されていることりがカナリアというわけですねぴよ!」 |
海ことり 「ことり豆知識。ことりの鳴き声になんらかの文法があることは十姉妹でも知られていて、京都大学で行われた研究では録音した十姉妹の鳴き声を順番を入れ替えて聞かせたらそれまでとちがう反応をしたそうです。この鳴き声を人工的に作った音声で試した場合にも同様の反応を見せましたが、生まれてから一羽で育てられて他の鳴き声を聞いたことがない十姉妹はこうした反応を見せませんでした。つまり ・十姉妹の鳴き声には文法がある。 ・十姉妹は鳴き声を後天的に学習している。 ・十姉妹は十姉妹以外の鳴き声も学習する。 ・十姉妹はかわいい。 これらのことが証明されたというわけですねぴよ」 |
海ことり 「ことり豆知識。ジュウシマツは十姉妹と書くとおりに十羽いても姉妹のように仲がよいことりです。野生のジュウシマツは存在せず、中国のことりを飼い鳥にしたものが江戸時代に日本にもちこまれるとその後我が家でも暮らしていますが確かに彼らは鳴き声を後天的に覚えているようですね。なぜならば鳴き声のきれいなオスがいたころは鳴くのがうまい子が多くて、鳴き声がアレなオスが元気なころは鳴き声がアレな子が多かったからです!」 |
海ことり 「お仕事で皇居の近くに通っていますがいまのところ直接ご尊顔を拝謁できたことりはスズメとセグロセキレイとシジュウカラとメジロとホオジロで、ことり以外ではヒヨドリとかハトとかシラサギとかウとか他にもいろいろおわしましたのでけっこうマジメに探そうとするとバードウォッチャーの気持ちが分からなくもありません。もちろん大きな鳥をお見かけするのはかんたんですが、ことりは鳴き声から御姿を探すのがよろしいのでまずは玉韻をしっかりと拝聴することでございます。」 |
海ことり 「ことりの鳴き声の研究はシジュウカラや十姉妹で行われた、というていどでまだ詳しくは分かっていませんが、例えば猛禽のモズは百舌鳥といわれる通り他のことりの鳴き声をそっくりに真似て近寄ろうとすることで知られています。なのでことり語にはある程度共通した文法があって鳴き声の違いは単語の違いみたいなものなのかもしれませんねとか考えてますが、インコや九官鳥が人間の声を真似るのも、単語だけ真似て文法はことり語を使っているということかも?」 |
海ことり 「ことり豆知識。先日テリメインではなく日本でメジロを飼っていたヒトが摘発されましたが近年野鳥の飼育が禁止になった原因の一つがこのメジロの飼育です。外見も鳴き声もきれいで人なつこいメジロは江戸時代からとらまえては鳴き声比べをさせる風習がありました。メジロが乱獲されるようになって一羽飼いならOKに、保護した場合だけOKに、そして全面禁止になったのはわりと最近です。ですがメジロはヒトに接する方法を何も変えたわけではなく、今でも町中にも姿を現してはきれいな声を聞かせてくださいますのでこれでよいのではないかと思いぴよ。」 |
海ことり 「ことり豆知識。ちなみに野鳥の飼育が全面禁止になる以前は、怪我したことりや巣から落ちたヒナを一羽飼いで保護するならいいですという感じのルールでした。では全面禁止になったら巣から落ちたヒナが助からない!といえば勘違いがありまして、鳥のヒナとはふつう想像する産毛の生えた幼鳥でなくてまだ目も開いてないピンク色の存在のことです。幼鳥はもう巣立った後でたいてい近くにエサをくれる親鳥が隠れているので放っておけば迎えにきてくれます。では万が一落ちているヒナを見つけたらどうするか?一番生存率が高いのは、頭上にあるだろう巣に戻してあげることですぴよ。」 |
海ことり 「ことり豆知識。ちなみにモズの習性でははやにえが有名ですが、意外とこれがなんのために行われているかは不明だそうですね。一般には保管して後で食べるため、または、あんよで物をつかむ力が弱いので食べやすいように獲物を固定するためとも言われていますが実際にはそのまま忘れてしまう例も多くいまいち説得力がありません。とはいえことりは小さいですからご飯をひんぱんに食べる必要がある筈で、しかも肉食ならいつでも獲物が手に入るとは限らないのでトリあえずはやにえするのが癖になってるだけ、というのはありそうです。あちこちにご飯がある状態にしておけば飢えにくいですものねぴよ。」 |
海ことり 「我が家の十姉妹さんが無事に巣立ちできそうで一安心でございます。ヒナがお生まれになられると皆で育ててくれる十姉妹ですが、ひよひよと動いて巣から落ちてしまうことがままあるので自力で戻れるようになるまでは助けてあげないといけません。およそ一月もすれば巣立たれますのでそろそろ夜中や早朝に巣をチェックする生活から解放されますが十姉妹のためですから何も苦労などありませんよ!」 |
海ことり 「ことり豆知識。海外の新着ニュースから、ブユムシクイという小鳥が「ガールフレンドの父親にそっくりだ」と話題に。外見は青っぽいゴジュウカラに似たことりですが繁殖期になると目や額のまわりが黒くなって、眉毛がつながったような顔に見えるそうですぴよ。画像を調べてみると横顔なんかはむしろりりしく見えるかも。」 |
海ことり 「ことり豆知識。メジロと同じく鳴きくらべのために捕らまえられてしまうことのあることりがウグイスですが、こちらはBush Warblerの英名にもあるとおり警戒心が強くて人前にはあまり姿を現しません。有名なホーホケキョの鳴き声は縄張りの主張と警戒を兼ねているそうで、オスが鳴くと子育て中のメスは餌を運ぶのを止めたりするそうです。ちなみにハワイに暮らしているウグイスはまわりが安全なせいか日本に比べてあまり鳴かないとかぴよぴよぴよ。」 |
海ことり 「ことりニュース。ミャンマーで白亜紀の地層から見つかった琥珀の中に、ほぼ完全な形の鳥のひなを発見。ふつうの化石だと分からない特徴が観察できる貴重な標本として注目ぴよ。復元されている想像図では一見して鳥のひなだけどくちばしに小さい歯があったり、翼に小さな爪があったりしますが一見するとやはり鳥のひなにしか見えないのでぴぃー!」 |
海ことり 「ことりニュース。最近の発表でことりがさえずりを聞き分ける能力は遺伝によるという報告がありました。近縁のマダラヒタキとシロエリヒタキのタマゴを入れ替えて育てたところ、生まれたひなは親よりも自分の種のさえずりに強く反応したということです。ちなみに両種の雑種のひなはどちらの巣で育てられてもマダラヒタキのさえずりによく反応したとのことで、説としては面白いですがそれは生まれた子が自分と似たものを認識した可能性はないのかなーと考えたりぴよ。」 |
海ことり 「ちなみに十姉妹さんのひなですがふつうは巣立ちまで大丈夫ですがなぜか落ちる子はそんな癖でもあるのかしょっちゅう落ちてしまいます。先日お生まれになられた二羽は二羽ともなかよく落っこちる子でしたが無事に巣立たれましたが、エサ入れに二羽ですっぽり入ると他の子が食べるすきまが。」 |
海ことり 「ウグイスの鳴き声といえばホーホケキョというさえずりが知られていますが、これは近くが安全ですよとメスに知らせるためのなわばり宣言だといわれてます。この場合のなわばりとは侵入者を威嚇するためではなく侵入者の目をメスや巣からそらすためのもので、実は求愛の鳴き声と同じものが求められているのですね。つまり鳥のさえずりとは敵の目をひくため&メスの目をひくためのものですからフィオナさんの認識はあながち間違ってはいないのです。ちなみにさえずり以外ではふだんの鳴き声である地鳴きや笹鳴き、あとは谷渡りが知られていてウグイスの声はこの四種類が知られているみたいですねぴよ。」 |
海ことり 「ちなみに十姉妹は外見から雌雄の区別がつけられず、ある程度大きくなってさえずるのがオス、さえずらないのがメスという方法で分けられていてこれはことり屋さんでも同じです。雄雌共通で地鳴きはチチチという声で、さえずりはオスだけでピーピヨと鳴きますがさえずりのうまいへたは他の子にも影響を与えるのでへたな子ばかりだと他の子もへたになるのはそれはそれで個性的ですぴよ。」 |
海ことり 「ことり豆知識。日本では鳥を意味する名前に〜メという表記があって、群れるちいさな鳥を指しているといわれています。スズメとかシメは〜と鳴く小鳥、といわれてますがあくまで一説でしかありません。例えばツバメだともとはツバクラメと呼ばれていてツバが鳴き声でクラが小鳥の意味でメが小鳥の意味だというからつまり小鳥オブ小鳥なわけですぴよ!」 |
海ことり 「以前にも書いたかもしれませんが小鳥オブ小鳥といえば王冠を頂いているキクイタダキと、とてもちいさくて地味な姿をしているのに鳴き声が立派なミソサザイの両者が西欧では小鳥の王と称されていたりしますね。彼らは日本にも棲息していて体重およそ6グラム程度、エナガと並ぶ日本三大ことりとして私が栄誉を与えていますがあまりにも小さいのでオオカマキリに襲われることもあるらしく虫よりも弱い鳥というのは鳥としてはどうかと思います。」 |
海ことり 「ことり豆知識。日本語で鳥を意味する接尾語としては〜メという以外に〜スという表記もあって、カケスとかカラスとかホトトギスなんかは鳴き声&スでつけられた名前のようです。ウグイスはウーグイと鳴くスという説と、薮に巣食うスがなまってウグイスという説と諸説あるようですね。ちなみにスズメやシメの接尾語に使われている〜メは群れる鳥としての意味合いが強いらしく確かにスズメは群れますがたとえば冬なんかに群れたスズメがふくらんであたたかい様子はぴぃー。」 |
海ことり 「ことり豆知識。小鳥の名前シリーズになっていますが珍名ぽい鳥でわりと知られているのがウソ。もちろん四月一日に増えるウソのことではなく語源はうそぶくという言葉からきていて、この言葉自体はとぼける、豪語するといったときに使われますが本来は口笛を吹くことを意味していて、特に鳥を呼ぶためにウソぶく音に似た鳴き声をするからウソと呼ばれていると言われています。つまりウソの名前はウソの鳴き声に由来しているのでウソという言葉とは関係がないように思えて本当はウソでしたと思えばウソ!?」 |
もくず 「レッサーつながりで調べていたレッサースローロリスですが、ナマケモノのようにスローなロリスの小型種なのでリスではなくロリスなので念のため>おおぞらかける。レッサーでないスローロリスは多摩動物公園の夜行動物館でたびたび見ましたが毛皮に毒をぬる習性があるのは知りませんでしたのできっとラムトンの竜のように毒をもっている種がいるのもこのロリスの影響に違いありません!」 |
海ことり 「ことり豆知識。うつくしい鳴き声で日本三鳴鳥にあげられているのがウグイスとオオルリとコマドリですが、個人的には身近で鳴き声がきれいなシジュウカラもなかなかよろしいですね。住宅地やその近隣に暮らしていることりも意外に多いのですが、鳴き声を聞き分けられるようになると気づく機会がぐっと増えてきます。シジュウカラはシルエットがスズメに似ていますがひとまわり小さくて屋根や電線や木の上みたいな少し高い場所にいてとてもきれいな声で鳴きますので、鳴き声に気づいて目を向けた先に小さなスズメみたいなシルエットを見かけてもわりと逆光で見分けにくいことが多くお腹のネクタイ柄を見分けるために双眼鏡が欲しくなったりするとバーダーの仲間入りをしてしまいますから注意が必要ですねぴよ。」 |
海ことり 「ことり豆知識。ことりというよりも鳥の名前についているいろいろな言葉についてですが、たとえばオシドリのオシは愛おしの意味で仲睦まじい鳥という意味だといわれています。シマアオジのシマは亜種という意味で使われますが蝦夷の地を指してシマと呼ぶこともあってシマエナガはエナガの亜種ですが北海道のエナガという意味ですね。イヌワシのイヌは小さなものという意味で英語のレッサーとほぼ同義語ですからつまりレッサードラゴンはイヌドラゴンと呼ぶこともできますねぴよ!」 |
もくず 「ちなみに海ことり倶楽部は海ことり・倶楽部ではなく海・ことり倶楽部なのですがわりとどうでもいい話。」 |
海ことり 「ことり豆知識。ことりではありませんがペンギンといえばオリジナルペンギンが西欧人に絶滅させられると今はペンギンに似た鳥がペンギンと呼ばれています。そんなペンギンの一種であるフンボルトペンギンはもともと南米に生息する種類でやっぱり絶滅危惧種に指定されているのですが、気候が合っていたのか日本の動物園や水族館にやたら適応すると今では千羽以上のペンギンが暮らしています。ちなみにこの数は全世界のフンボルトペンギンの一割を超えているとのことでフンボルトペンギンの主な生息地は日本かもしれませんぴよね。」 |
海ことり 「ことり豆知識。やっぱりことりではありませんがわりと迷いがちな鳥の分類について。ワシとタカは本来はっきりした区別はなくて大きなタカをワシと呼んでいます。オウムとインコの場合はオウムの中で頭に冠羽がないものがインコと呼ばれているので厳密にいえばオカメインコなんかはオウムなのですね。ミミズクとフクロウだとフクロウの中で耳っぽい羽根があるものをミミズクといいますがこれはあまり厳密ではなくアオバズクのように頭が丸いのに〜ズクと呼ばれているものもいますぴよ。」 |
海ことり 「ことり?豆知識。ハト時計は鳴き声がカッコーなのにどうしてハト時計なのかというともともとハト時計はハトではなくドイツのカッコウ時計がもとになっています。ところが日本ではカッコウは閑古鳥とも書いて閑古鳥時計ではいまいち具合が悪いということで、カッコーでなくポッポーと聞こえますよね?とこじつけて強引にハト時計にしてしまったそうですぴよ。」 |
海ことり 「ことり豆知識。鳥の鳴き声を意味のある言葉にして覚えることを「聞きなし」といいますが、有名なものではそのまま名前の由来になったサンコウチョウのツキ・ヒ・ホシ・ホイホイホイ、他にもウグイスのホゥ法華経とかコノハズクの仏法僧とか知られてます。ちなみにコノハズクはちょっと地味めの小さなフクロウで、まったく別のブッポウソウという鳥もいますがこちらはブッポウソウとは鳴きません。ウグイス色のメジロがウグイスと勘違いされたように、仏法僧の鳴き声がするところにブッポウソウを見つけたから名づけられたみたいですねぴよ。」 |
海ことり 「毎年近所で開催されているジャパンバードフェスティバルに参加。遠くから見ると河川敷に縁日のようなテントが並んでいて地元のお祭りかな?という感じなのですがほとんどがバードウォッチングと鳥グッズと鳥関連NPO主催テントに鳥くんさんの講演ステージも設けられたトリづくしの会場でした。戦利品にバードコールと地元産だいこんを所望して鳥博物館で鳥クイズに答えて満足させて頂きましたが別会場では肩チュンバードの制作イベントがあったらしく来年は肩チュンバードでしょうかぴよ。」 |
海ことり 「ことり豆知識。以前少し調べたトリの英語名についてもう少し追いかけてみたところパンダやスローロリスやオオゾラカケルのほかにもレッサー名で呼ばれている小鳥を発見。レッサーカッコーとかリトルカッコーと表記されるホトトギスは名前の通りカッコウの近縁のトリですが、日本では万葉集の昔からいろいろな作品に登場して名前の種類がとても多いことでも知られています。漢字変換できるだけでも杜鵑とか不如帰とか時鳥とかありますが、子規というのも呼び名のひとつでかの正岡子規の名前はホトトギスのことなのでつまり彼はマサオカホトトギスさんだったわけですねぴよ!」 |
海ことり 「ことり豆知識。せっかくですのでリトルカッコーことホトトギス話ですがホトトギスといえば天下人に例えた川柳が知られていますね。鳴かぬなら殺してしまえ時鳥(信長)、鳴かずとも鳴かしてみせふ杜鵑(秀吉)、鳴かぬなら鳴くまで待とう郭公(家康)が有名ですが、鳴け聞こう我が領分の不如帰(加藤清正)というのもあるそうです。そこで一句ぴよ。」 【鳴かずともひたすら愛でよほととぎす。】 |
海ことり 「ことり豆知識。聞きなしでトッキョキョカキョクとかテッペンカケタカとか知られるホトトギスの鳴き声ですが、古典文学では激情的な鳥とされていてかのマサオカホトトギスさんは喀血したときに血を吐いてもさえずるホトトギスと自分を重ね合わせて呼び名を正岡子規に変えました。もちろんホトトギスは血を吐きながら鳴いたりはしませんが、するどい声で夜にも鳴くことがあるのとくちばしが赤いのとでそんなお話ができたようですね。そこで一句ぴよ。」 【鳴こうともひたすら愛でよほととぎす。】 |
海ことり 「ちなみに肩ちゅんバードを制作されている株式会社鳥さんですが「暮らしに鳥を。こころに鳥を。」をモットーにしているとてもすばらしい企業さんですね。なかでもインパクトが強いのがスズメバルーンですがこのようなものにしがみついたり押しつぶされたりしたらきっとたいへんなことになってしまうに違いありませんねぴよ!」 |
海ことり 「ことり豆知識。マサオカホトトギスやカッコーといえばタマゴを他の鳥に育てさせる托卵ですが、たとえばタマゴを預ける相手をまちがえて虫しか食べないヒナを別の鳥に育ててもらうことはできませんし、あからさまに怪しいタマゴはこれちがうって巣から落っことされてしまいます。なのでホトトギスはウグイスに、カッコウはホオジロやモズとか托卵する相手をある程度決めていて、更に優先して育ててもらうために色とか模様が似ていて大きくて孵化するのが早いタマゴを産まないといけません。托卵する側にもそれなりに苦労はあるようでぴぃ。」 |
海ことり 「ことり豆知識。とはいえ托卵される側も学んだり対策を立てることはあまり知られていないようで、中には托卵された巣ごと育児放棄したり巣の上に新しい巣を建てて最初からやり直す乱暴な例もありますが先述したように親鳥が「これちがう」と怪しいタマゴを落っことしちまう例がままあります。とある地域ではカッコウに托卵されたオナガが今までと模様の違うタマゴを産んでカッコウのタマゴを落とすようになったそうで、いずれ今年度版としてタマゴのデザインがダウンロード配信される近未来なことりの時代が!」 |
海ことり 「ことり豆知識。大きい鳥でも小さい鳥でも知られる渡りの習性ですが、主な目的は二つあって一つはとても寒い冬を避けて南で冬越しするため、もう一つは春から夏にかけて食べ物の多いところで子育てをするためといわれています。日本であれば北からやってきてあたたかい日本で冬を過ごす鳥と、春に子育てをしたら冬にはさむい日本から南に去っていく鳥がいるわけで季節の鳥が四季折々に姿を見せてくださるわけですね。かの賢人アリストテレスはこうした鳥たちはきっと冬眠しているに違いないと考えていたそうで、当時渡りの習性が知られていなかったことを窺わせますが冬眠する鳥がいてもかわいいですぴよね。」 |
海ことり 「ことり豆知識。なのですが実は世界には冬眠する鳥も存在してアメリカにいるヨタカの一種が冬眠を行うことが知られています。ヨタカといえば童話よだかの星でぶさいくないちざう呼ばわりされる鳥ですが、網のようにひろげたヒゲで虫をとらまえたり冬眠までしたりとなかなか芸達者な鳥なのです。」 |
海ことり 「ことり豆知識。話を渡りに戻しますが、渡り中はほとんど食事をとらず事前に蓄えた皮下脂肪を消費しながらエネルギーや水分を補給したり、太陽や星の角度を計算しながら飛ぶ方角を定めたり、飛行中に順番を変えて空気抵抗から身を休めたりとさまざまな工夫が行われていていまだに全容が解明していません。なかには夏を北極、冬を南極ですごすキョクアジサシという鳥もいたりしますがどうして南極で冬越しをしようなどと考えたのかは聞いてみないとわかりません。」 |
海ことり 「近所にお買い物にいったときに目の前で背中が黒いセキレイと背中が灰色のセキレイが二羽ならんで尾羽を揺らしておりましたがどうやら色違いなだけでどちらもハクセキレイではあるようです。たとえば十姉妹に柄模様や茶色や黒っぽい子がいるのと似たようなものみたいですが問題は目の前でセキレイが二羽ならんで尾羽を揺らしているとしばらく眺めていて買い物どころではないぜこんちくしょうということですね。」 |
海ことり 「そんなわけで近所の道路や街路樹にはセキレイが暮らしておられますが近所の公園にはいろいろな鳥が暮らしておりまして大きな木に小さなシジュウカラが巣をつくっておられました。鳴き声のきれいなシジュウカラがジジジと鳴いていてなんだろうと思ったら散歩中の犬が近くを通り過ぎるのを警戒していたみたいです。犬が通り過ぎるとさえずりが混じるようになりましたがジジジという声もまじっていてなんだろうと思ったら飼い主さんと犬がすぐ近くのベンチで休んでいて犬にとっては「そう仰られても!」という気分だったかもしれません。」 |
海ことり 「ことりではありませんがトリ豆知識。ヨタカはタカに似ていますが顔がひらたくて口がおおきいので飛びながら口の中にはいってきた虫を食べています。さらにくちばしのまわりに放射状にひろがっているひげが伸びていて、これにひっかかった虫も食べていてこれを収斂進化というのであれば泳ぎながらプランクトンを食べるヒゲクジラやジンベイザメに近いでしょうかと思いながらジンベイザメみたいに大きなヨタカがゆったりと空を泳いでいたらそれはそれで雄大かもしれません。」 |
海ことり 「頭のよいトリといえばカラスが筆頭ですが他のトリだって負けてません。先日街路樹にヒヨドリが集まって花芽をついばんでいましたが、枝の下側についている芽は上からだとくちばしが届かないのでぶらさがればくちばしが届くじゃないかと考えたらしく、くるりと逆さになりましたがもちろん落ちました。なのですが落ちながら花芽をとることはできたのでそのヒヨドリは他の枝でも同じように落ちて、もとい花芽をとることができるようになって少なくとも彼らには考える能力と学ぶ能力があることがわかります?」 |
海ことり 「ことり豆知識。せっかくですのでセキレイについて整理してみましたが日本には主にセグロセキレイとハクセキレイとキセキレイの三種がいて、それぞれの区別はおなかが黄色っぽいのがキセキレイ、ほっぺたが黒いのがセグロセキレイで白いのがハクセキレイというのが一番わかりやすそうな感じです。ちなみにセグロセキレイは日本固有種で英名がJapanese Wagtail(ニホンオシリフリフリ)といいますが、尾羽を振る様子を指してイシタタキやニワタタキという異名もありますぴよ。」 |
海ことり 「ことり豆知識。なのですが日本書紀ではイザナギとイザナミにお尻をふって性交の仕方を教えたという記述もあるらしくコイオシエドリやヨメオシエドリといった異名もあるようですね。雌雄が仲むつまじいので中国では相思鳥というらしくこちらのほうがロマンチックかもしれませんぴよ。」 |
海ことり 「ことり豆知識。ちなみにニホンオシリフリフリことセグロセキレイですが、たいてい水辺や川辺で暮らしていることが多く畑や市街地などあまり場所を選ばないハクセキレイに押されて生息域を減らしているぽいですね。ハクセキレイはユーラシア全域に分布するタイリクハクセキレイという本種があって、ハクセキレイは亜種になりますのでエナガに対する亜種シマエナガのようなものだと思えば間違いありません。わりと縄張り意識が強くてハクセキレイがセグロセキレイを追いまわすこともあるようですが、この場合はどちらもお尻を振りながら追いかけているということですぴよ!」 |
海ことり 「ことり豆知識。ハクセキレイとセグロセキレイがほっぺたの色で見分けられるのは先日発見しましたが難しそうなのがコガラとハシブトガラの見分けかた。どちらも大きさは同じくらいでベレー帽をかぶったような柄が特徴で、名前のとおりハシブトガラのほうがくちばしが太いそうですが画像で並べてすら区別ができません。ハシブトガラのほうがベレー帽が黒いとかあるらしいですがことりというものはたいてい頭上にいるのを逆光で見つけてしまうと区別ができないのですぴよ。」 |
海ことり 「ちなみにハシブトナントカという鳥はハシブトガラのほかにはハシブトガラスが有名ですが、ハシブトオオヨシキリとかハシブトアジサシとかハシブトウミガラスがいますですね。ハシブトウミガラスはウミガラスと同じくウミスズメ科の鳥ですが外見はペンギンに似ているという文字にするとややこしいです。ちなみに絶滅したオオウミガラスは「ペンギン」という名前で呼ばれていた鳥で、現在知られているペンギンはオオウミガラスに似た南極ペンギンがペンギンと呼ばれるようになったものですぴよ。」 |
海ことり 「でもオオウミガラスが絶滅した経緯は人類への戒めとして記憶しておくべきです。」 |
海ことり 「これは詳しく調べてはいませんが、温暖な地域は植物が育ちやすいので植物同士が競争するために派手な花や実をつけやすいので風景が鮮やかになりますから、保護色が目的でもディスプレイ(目立つこと)が目的でもそこに暮らしている生き物は概して鮮やかな色合いになりがちですね。とはいえ都会では黒っぽい生き物のほうが保護色になりやすい例もありますから本質的にはその場所で暮らしやすい生き物がそこに集まった結果である、というのが生態系の実情ではあるのだろーと思ってますぴよ。」 |
海ことり 「これが隔絶された環境なら違う生き物が環境に適応した姿になる収斂進化が起きるのだと思いますが、ことりの場合は空を飛んでぴよぴよと移動することができますからその環境のその枠に収まる例が多そうです。ちなみに収斂進化の代表例はヤドカリの仲間なのにカニに似ているタラバガニが知られていますが?ことりなのに羽虫のように進化したハチドリのほうが海ことり倶楽部としてはふさわしいたとえかもしれませんぴよ。」 |
海ことり 「その環境のその枠に収まる例、であればキセキレイは南のほうでセキレイポジションに収まっておしりを振っています。本州ではもともとセグロセキレイがおしりを振っていましたが主に水辺に暮らすセグロセキレイに比べて水辺にも駐車場にも街路樹にもやきとり屋さんの前にも生息するハクセキレイの方が広まってしまいましてセグロセキレイはちょっと数を減らしながらおしりを振っていますぴよ。」 |
海ことり 「あとはわりと知られている?例では沖縄ではハトのポジションにルリカケスが収まっていて、街灯とか電線の上にルリカケスがとまっていて地域のトリの姿を見ると旅行に来たなーと思うようになればきっとあなたもバーダーの仲間入りですぴよ!」 |
海ことり 「ことりをサーチするにはやはり鳴き声で見つけるのが一般的なようですね。例えば町中できれいな鳴き声が聞こえたところにあたりをつけて、スズメより一回り小さいシルエットを見つけて場所&サイズ&鳴き声からあれはシジュウカラかなとあたりをつけてから胸のネクタイ模様で識別する、という感じです。なのでことりの鳴き声を聞き分けられるようになるとやはり便利ですねぴよ。」 |
海ことり 「その意味でもコガラとハシブトガラはシルエットで見分けるのは難易度が高いですぴよね。いちおう尾羽が角ばってるか丸まってるかでも見分けられるそうですがこれも肉眼で観察するのは正直難しいと思います。ましてくちばしで見分けるなどどうやって。。。」 |
フィオナ | |
「図鑑を見たらコガラとハシブトガラの違いは、クチバシの合わせ目の色で見分ける…というのが載ってました。 …結局小さくて見えませんっ」 |
海ことり 「コガラとハシブトガラの見分けかた!これだー!という感じでこういうとても分かりやすい区別の仕方を求めていましたのでフィオナさんにはとてもありがとうございます。これでももうコガラを見つけてもくちばしの合わせ目を見れば小さくて見分けられませんすみません。ですが画像がとてもすばらしくこれだけでもとても感謝でございました。」 |
海ことり 「ことり豆知識。以前こちらでお話にあがりましたキョクアジサシですが、実際に追いかけてみたところグリーンランド南極間を蛇行しながらおよそ8万kmほどの距離を移動しているそうです。地球一周がおよそ4万kmですからその二倍、わざわざ遠回りをしているのは大気の大きな流れを避けながら飛んでいるのではないかと言われていますぴよ。」 |
海ことり 「ではどうしてキョクアジサシがこんな渡りをするのかというと愛鳥家のおおぞらかける氏によれば白夜になっている地域で営巣するためかなというご意見でシンプルですがなるほどと思います。明るければトリメの鳥には幸いに違いなく例えば近づいてくる外敵がいれば早めに移動して巣の遠くに誘うようなことができるかもしれませんから、巣についてもうちょっと詳しい事情が分かればおもしろいかもしれませんがその場合キョクアジサシのひなは暗い場所でねむんむできませんから暗いところだと眠れない子に育つかもしれませんねぴよ!」 |
海ことり 「先日皇居近くでイワツバメに謁見。ふつうのツバメはのどのあたりが赤いですがイワツバメはおなかと腰が白く、さらに尾羽が深く分かれているイワツバメに比べて小さくしか分かれていないヒメアマツバメという子もいるそうです。イワツバメは名前のわりに平地や町中にも営巣して生息域を広げているそうですが、私が見たときはすぐ頭上を飛んでいくのを真下から見たので白いおなかが白いおなかが白いおなかがぴぃー!」 |
海ことり 「そんなわけでトリみだしてしまいましたがことりを見つけるときに多いのは鳴き声を聞いて近くにことりがいることをサーチ&トレースしたら見つけたことりの外見を見分けて、ああこのことりはこんな声で鳴くのだなあという感じで外見に鳴き声を結びつける感じです。これが上級のバーダーになると鳴き声だけで種類を当ててしまうのでしょうが、たとえばスズメやハトやカラスやヒヨドリ「以外の」声がする!?と探すきっかけにするのがよいかもしれませんね。」 |
海ことり 「愛鳥家のおおぞらかける氏に借りたチベット旅行記を読んでますが、ありがたい経文を探してチベットを旅する河口慧海が道中に詠んだ歌にかっこうと鳴いている杜鵑ほととぎすが登場します。杜鵑と郭公はどちらもカッコウ目カッコウ科の別の鳥ですが、これは慧海が間違えたのではなくホトトギス目ホトトギス科という呼び方もあって日本文学では古くからホトトギスのことを漢字で郭公と書く例があるのは以前も書いたかもしれませんねぴよ。」 |
海ことり 「さらに文中では汽笛のような声で鳴く鳥がいたという話もあってこれはキジかなーと思いますが中国には昔からキジがいたはずですがはたして8000m級のチベットの山岳にもキジはいるんでしょうかぴよ?」 |
海ことり 「鳴き声が特徴的なのは以前も書いたと思いますがやはりコノハズクの「仏法僧」でしょうか。小型のフクロウの一種で愛知県の県鳥としてコノハけいぶというゆるキャラもいるくらいなので、わりと日本全国に分布しているらしく子供のときに耳にした記憶がありました。確かにブッポーソーブッポーソーと聞こえるのでどうせならコノハけいぶは警察ではなくお寺のゆるキャラに選ぶべきだったと思います!」 |
海ことり 「ことり豆知識。前回イワツバメの話をしたのでツバメについて少し調べてみましたが、近所でもしばらく前から巣づくりが始まっているツバメ、いざ子育てが始まったらおもにメスが抱卵してオスはどうしてるのかといえばメスが餌を探しにいくとにき交代で抱卵したり巣の近くで休んだりするそうです。わりと天敵が来にくい場所に巣をつくる鳥ですからあまり離れた場所にいる必要がないということかもしれませんが、ちなみに巣立った後のツバメは集団で河原などに集まって休むようになり渡りに備えるということです。」 |
海ことり 「わりと天敵が来にくい場所に巣をつくるツバメ、ですがおもな天敵にはヘビやカラスがいてヘビはまだしもカラスを避けるのは難しいだろうと思わなくもありません。なのですがツバメが巣をつくるときに選んでいる場所のひとつに「ヒトがいてにぎやかな場所」というのがあって家やお店の軒下にはヘビもカラスも近づきづらく結果として巣立ちがしやすく来年もここに営巣しようとなるようです。」 |
海ことり 「つまり人間がいることを前提にして栄えたトリの例にツバメも入るわけですが、日本では昔から家にツバメが巣をつくると縁起がよいと言われていて、これは農家であれば子育てに大量の虫を食べてくれるツバメが益鳥扱いされていることと、そして天敵よけのために人通りが多かったり繁盛している家や店をツバメが選んでくれるからという二つの意味がありますので幸福の王子でなくてもツバメは縁起のよい鳥であるのだとぴい。」 |
海ことり 「例年この時期には各地でツバメの話題が見られてツバメがヒトに密接な存在であることを思わせてくれますが、今年のツバメ賞候補といえばやはり霧島の白いツバメでしょうか。お店の軒先に生まれたヒナの中に明らかに白いツバメがいて、先日無事に巣立たれたそうですが紹介されていた画像を見るにツバメの中に白文鳥が混じっているようにしか見えずいずれ亜種として認められるくらいに増えてくれるとシマエナガがいるようにシロツバメとか認められて霧島が繁栄してしまいますね。」 |
海ことり 「ひきつづきツバメの話題ですが、神奈川では飛びながら自動ドアを開けて子育てをするツバメがいて話題になっているそうです。はたして巣立ちをしたヒナも同じ方法でドアを開けることができるのだろうかと心配をしてしまいますが鳥の学習能力というものは存外あなどれませんからここなら天敵に襲われなくて安全だと思えるいろんな方法を学んで「進化」しても不思議はありません。逆にカラスなどは自動ドアの中に入ったら追い払われちゃうのにツバメはいいのかー!と学習した上で不満を表明していそうでつまりトリというものがいかに賢いかということを。」 |
海ことり 「そういえば前回の海ことり倶楽部はいよいよ話題のすべてが小鳥になってしまいもうテリメインなんてどうでもいいー!と叫ぶおおぞらかけるの姿が見えたような気がしますが先日箱根に出かけたときに湯本周辺の商店街ではたくさんのツバメが往来して子育てをしている真っ最中で、意外と昨今イワツバメばかり見かけていたのでのどのあたりが赤いツバメを見るのは久しぶりな気がしました。巣の近くで休んでいるツバメもすぐ手が届きそうな頭上で無防備なおしりをさらしていてこれは自分たちの魅力で商店街を栄えさせることによってヒトにツバメを守らせようという彼らの高度な戦略が存在しているものと断言してもよいと思います。いずれ世界はことりのものになりますが箱根はすでにツバメに支配されつつあるのです。」 |
海ことり 「調べてみましたがアナツバメはスズメ目ツバメ科のツバメとは別のトリで収斂進化でツバメに似た姿や生活をしているトリのようですね。アマツバメ目アマツバメ科でアナツバメというとても間違えそうな名前ですが岸壁に営巣するアマツバメの中で主に洞窟に営巣するのでアナツバメというそうです。そのなかでも広東料理で使われているツバメの巣はジャワアナツバメの巣が使われていて、普通のツバメは主に泥を材料にして、普通のアナツバメは空気中のホコリと唾液腺の分泌物を材料にしますがジャワアナツバメの巣はほとんどが分泌物だけでできているとのこと。海藻が材料、というのは俗説だそうで自分も海藻が材料だとばかり思ってましたので目からウモウですね!」 |
海ことり 「そしてアナツバメはツバメよりもヨタカ(いちざう)やハチドリに近いトリで、ほとんど空を飛んだまま生活して寝るときも飛びながら寝ることが多いようです。ヒナが巣立ちしたあとは同じ巣はもう使わなくなるため、食材として手に入れるときは巣立ち後の巣を採取していますが、岸壁や洞窟の巣を集めるのは危険があぶないので近年は人工の建物や洞窟に似た建造物を建ててアナツバメさんに営巣して頂きお巣立ちになられたところを採取させて頂くとのことです。アナツバメにすれば営巣地を用意してもらえるし人間も安定供給が期待できてこれは共存共栄でしょうか。」 |
海ことり 「最近は近所でセグロセキレイをあまり見かけなくなりまして調べてみるとセキレイは留鳥または漂鳥に分類されて季節によって近所で餌場やねぐらを移動する場合があるようです。本来は水辺を好むトリですから夏場は餌の多い近所の河川敷に移動しているぽく、そして灰色のセグロセキレイは巣立ち後のヒナでつまり春に町中で見た黒いセキレイと灰色のセキレイはどうやら親子だったようです。」 |
海ことり 「前回はアナツバメの巣のお話でしたのでせっかくですからことりの巣について。一般に鳥の巣というものは家とはちがって住むためのものではなくヒナを育てるためのものなのですね。ヒナが巣立った後は遺棄されますので鳥の巣研究家はそれを回収して自らのお楽しみ(違う)に利用するそうです。遺棄された巣が残っていた場合には来年の土台に使われたりはしますがその意味では鳥の巣はタマゴのカラにとても近い存在なので鳥は三度生まれるとはよくいったものですね。」 |
海ことり 「とはいえ我が家の十姉妹さんたちは夜にもなると巣にみっちりとお集まりになりそこでお休みになられますのでこれは巣というよりも休むための場所として巣をお使いになるという感覚でしょーか。野生のことりであれば茂みや木の枝にとまってお休みになられるのと同様で、十姉妹さんも巣作りの時期になると巣を解体したり巣材を集めてから「巣のある場所に巣をつくる」ことをしますのでやはり鳥の巣というものは彼らに特有のものなのだろうと思います。」 |
海ことり 「ちなみに巣をつくらない鳥の代表格はオスの足の上にタマゴを乗せてあたためるコウテイペンギン、それから托卵をするホトトギスやカッコウですねぴよ!」 |
海ことり 「せっかくなので鳥の巣のもう少し詳しい話をすると巣は全体を指す外巣と、卵を乗せる場所に柔らかい巣材を敷いた産座の二重構造をしています。巣材は泥などの無機物を使うこともありますがたいていは羽毛や動物の毛、クモの糸など動物質を集める場合と枯草や枝や苔類など植物質を集める場合が多いでしょうか。唾液の分泌物を使うアナツバメほかアマツバメの仲間はとても珍しい例で食材に使われているのは周知の通り。産座に使われるやわらかい材料には先ほどの羽毛や動物の毛のほかには綿花やシュロの毛なんかが使われてとてもふかふかに違いありません!」 |
海ことり 「ことり豆知識。群れをつくることりが外敵を追い払うために行う行動のひとつにモビングというものがあり、相手に集団でいっせいにまとわりついて飛び回ったりします。たとえばカラスがことりたちにモビングを受けて追い払われたり、逆にカラスが集団でタカに対してモビングをする例もありますがモビングそのものは擬攻撃とも呼ばれていてあくまでも集団でぴいぴいまとわりつくだけで実際に攻撃するわけではありません。なんとも平和的な習性ですがことりとしてはがんばって追い払おうとしているわけですからもしもあなたがうっかりことりの巣に近づいてモビングされたりしたらそれはごほうびではありませんので追い払われてくださいぴよ。」 |
海ことり 「ことり豆知識。鳥はコミュニケーションのために鳴き声を使いますが、声だけではなくドラミングという音も使うことが知られています。有名なのはキツツキが木の幹をたたく音ですが、日本全国で飼われているセキセイインコのピーちゃんが金属網をくちばしで弾いたり我が家の十姉妹さんが止まり木や巣箱の壁をこつこつ鳴らすのもくちばしの手入れかと思っていたらどうやらドラミングのようで調べていて目からウモウです!」 |
海ことり 「ちなみにドラミングには羽で風をきる音を出す行為も含まれていて、キジやヤマドリがこうした音を出すことを昔から母衣(ほろ)を打つと言いますが「けんもほろろ」という言葉はキジの鳴き声が語源で「ほろろ」という部分は鳴き声であるという説と母衣であるという説とあるようですね。」 |
海ことり 「これはことりではなくサギ類にみられる習性ですが、たとえば芦原に身をかくしている鳥が風でゆれる草の動きに合わせて自分たちも体を左右に動かすことがあるそうです。これは芦原にかくした巣の中にいるヒナも同様に体をゆらすことができて、外敵から身をかくすために役に立つといわれていますが私見を述べるのであれば風でゆれる草の動きに合わせて自分たちも体を動かすのが楽しいからという可能性も捨てきることができません!」 |
海ことり 「鳥の行動に対する呼び名はいろいろありますが、たとえば歩きかたをウォーキングとホッピングに分類することもありますね。ウォーキングは両足を交互に動かすふつうの歩きかたで、もちろん早足になって走ることもできます。これに対してホッピングはいかにもことりらしく両足をそろえてちょんちょんとはねる方法で、もともと枝から枝に移るための行動を地上で行っているものなので樹上性のことりに見られます。およそ鳥によってウォーキングをするもの、ホッピングをするもの、両方できるものがいますが中にはセキレイの仲間のビンズイのように枝の上をウォーキングする鳥もいたりしてよく足をすべらせないものですね。」 |
海ことり 「でも少なくとも十姉妹が止まり木から足をすべらせることはありますからビンズイも足をすべらせることはあるのかもしれませんねぴよ。」 |
海ことり 「ちなみにツバメの巣は毎年使い捨てなのですが、年によってはヒナが大きくなってしぜんと壊れてしまい巣の残骸にヒナたちががんばってしがみついている強制的な巣立ちの例もありますね!」 |
海ことり 「ことり豆知識。以前にツバメの巣で話題にしたアナツバメはアマツバメ目アマツバメ科に分類されていることりですが、このアマツバメは一日のほとんどを空を飛びながら過ごしていることで知られています。エサを集めるのはもちろん水を飲むのも水浴びをするのも飛びながら、交尾するのも眠るのも飛びながらという器用なのか不器用なのかわからない生活で、むしろいったん地上におりると歩くのもうまくできず、もう一度空を飛ぶのもひと苦労なので巣も岸壁の高いところに作るのですね。ちなみに英名ではホワイトランプドスイフトと呼んで白いオチリのツバメさんというそうです。」 |
おおぞらかける 「しろい!おちりの!ツバメさん!?(絶叫)>アマツバメ英名」 |
海ことり 「アマツバメがふだん空を飛んでいるのであれば、水鳥はふだん水面で過ごしていることが多いですが水面は獣から襲われることが少ないので鳥にとってはわりと安心できる場所のようですね。カモ類など器用なものになると水の上でおなかを上にあおむけになって羽づくろいをしたりもするそうです。ちなみに水かきで移動するのは意外と体力を使うので、ふだんは流されるまま漂うままでいることが多く、バンのように水かきがない水鳥という無謀な鳥の場合はハトのように頭を前後に動かして前に進もうとするそうです。バンのなかまのオオバンは足ゆびの一本一本に葉っぱのような水かきがついていて、泳ぐのも歩くのも使えるというハイブリッドバンといえば自動車のように聞こえなくもありません。」 |
海ことり 「ことり豆知識。そろそろ七海もシメが近づいていると思いますので鳥のシメですが、ことりとしては多少がっしりして見えるのは体に比べて尾が短くて頭とくちばしが大きいからで、硬い木の実でもこのくちばしでペンチのように割って中身を食べるために使います。くちばしが蝋のような色をしているから蝋嘴鳥という別名もあるそうで、実見でもくちばしの印象が強い鳥という感じなのですが「シーと鳴く鳥なのでシメ」という名前の由来がなんかてきとーで気の毒に思います!」 |
海ことり 「ことり豆知識。鳥というものはたいていとてもエネルギーを使う生き物ですので代謝効率のよいご飯が欠かせません。なのでいろいろな餌の採りかたが知られていて、たとえばアオアシシギは魚とか水辺の生き物を食べていますが、この鳥がたまに行う採餌方法として口を半開きにして下くちばしを水につけたまま魚を追いかけまわすというものがあります。なんか「そうやって追いかけまわしても魚は採れないよ」とたしなめられる方法そのままのような気もしますがたぶん気のせいですね!」 |
海ことり 「ことり豆知識。同じように水辺を走りまわって餌を探す生き物でも、シギ類とチドリ類では違いがあってシギの場合は先のアオアシシギのようにくちばしを水とか泥に突っ込んで生き物が触れた瞬間にくわえる方法が多いみたいですね。一方でチドリの場合は餌を見つけたらすばやく駆け寄ってくちばしでくわえるので、こちらは目で見てから餌を捕まえているわけです。餌場を直接かきまわしているシギと餌場をちょこまかと走りまわるチドリとどちらが落ち着きがないかは議論の分かれるところですぴよ。」 |
海ことり 「シギとチドリの話になったので。京女の着物のように美しいというキョウジョシギはずんぐりした体と短めの足をして以前はチドリ科だったのがその後シギ科に分類されなおしています。このキョウジョシギもくちばしを使って餌を探してまわる習性がありますが、石でも木切れでも地面に落ちているとくちばしをテコにしてひっくり返すとその下にある餌を見つけるそうです。そのためキョウジョシギは英名ではターンストーンと呼ばれていて、日本の京女が欧米では石転がしと呼ばれるのはやはり想像力がないわとアン・シャーリーが憤慨してくれることでしょう。」 |
海ことり 「ことり豆知識。ひきつづき鳥の採餌方法についてですが、足を使って餌をとる鳥はいわゆる猛禽類が獲物を掴む例が思いつきますが意外と種類は限られているそうです。とはいえカラスが腐肉を足で踏んで抑えたり、カラ類が木の実を足で踏んで抑える例も知られていて他に例がないわけでもありません。おもしろいところではユリカモメが藻の茂った浅瀬でばしゃばしゃと足踏みをして、追い出された小動物を追いかけて食べるという例があるそうでこれも足を使った餌の採り方と呼べるかもしれませんねぴよ!」 |
海ことり 「ちなみに採餌とは別に貯食という修正もありましてヒッコリーの木の実かくしすぎて忘れたというやつですが、こちらもカラスやカラ類が餌を貯える習性があってもしかしたら彼らは鳥の中でもケッコー頭がよいのではないかと思わなくもありません。やっぱりおもしろいところではカケスがどんぐりを一個ずつ葉っぱの下に隠すことがあるらしく、隠しすぎて忘れたらこのほうが芽が出やすい気がしてもしかして隠してるのではなく植えているのだとしたら更に頭がよい可能性もぴよ。」 |
海ことり 「ことり豆知識。花の蜜を吸うトリといえばハチドリが有名で、彼らは主に南国に棲んでいる印象がありますが理由は日本の花は南国にくらべて小さくて、ことりよりもむしに花粉を運んでもらうことが多いからなのですね。もちろん例外もあってヤブツバキなんかは初冬から晩春にかけて大きな花を咲かせると、たくさんの蜜を出すのでメジロやヒヨドリがやってくることで知られています。ちなみにメジロは花の蜜を吸いやすいように、とても長い舌のさきっちょが何本にも分かれた構造になっていてハチドリも似たような舌をしていますがかわいらしいメジロが実はちょっとぶきみわるい舌をしているのはみんなには内緒ですぴよ。」 |
海ことり 「そして春になると桜の花をスズメが食べている姿が見られることがありますが、実はあれは花の付け根にたまっている蜜を花ごと食べているのでメジロに比べるとスズメはちょっとだけ野趣あふれるテーブルマナーがぴぃー。」 |
海ことり 「ことり豆知識。ことりの特徴的な動作のひとつに羽づくろいがありますが、羽毛をふくらませて飛んだり保温したり水をはじいたりさまざまな目的のためにひんぱんに手入れをします。ほつれを直したり、寄生虫をのけたり、脂腺から出る脂を羽毛にぬりつけたりいろいろな手順がありますが、やはり欠かせないのは二羽のことりがお互いに羽づくろいをする相互羽づくろいですね。メジロのようにつがいで行動することりや、十姉妹のように集団で行動することりにみられる習性ですが、相互羽づくろいだと自分ではくちばしが届かない頭や顔もつくろってもらえるのでたいへんすばらしい発明だと思います!」 |
海ことり 「そして今年も行ってきましたバードフェスティバル。前週は同じ場所でマラソンがあって白鳥がのんきに泳いでいらしゃいましたがバードフェスティバルの日はオオバンがいらしていて、確かに頭を前後にゆらして水をかいてました。カモのような水かきに比べると木の葉のような足ひれは指さきまでしなったり曲げたりできて、もしかしてオオバンは性能が高いのではないだろうかと思いました。」 |
海ことり 「人と鳥の共存をめざしているバードフェスティバル、今年で18回目の開催だそうですがけっこうな規模のお祭りで会場はそのままバードウォッチングができる岸辺にあってブースはカメラ機材、ことりグッズ、鳥関連書籍や鳥関連団体など出展されていて趣味の広いヒトに対応してますし、当日は隣接する鳥の博物館が開放されていたり色々なワークショップも開かれていたり盛りだくさんなのですね。鳥博の企画展示は都市の鳥についての特集で、意外なほど多くの鳥たちが街中に順応して暮らしている姿が解説されていました。」 |
もくず 「帰りは地元のお店でチキンカツ定食を頼んで人と鳥が共存している!」 |
海ことり 「最終回でもせっかくなのでことり豆知識。和名オシリフリフリといえばセキレイですが尾羽のふりかたにもいくつか種類がありまして、セキレイのように上下に振るタイプの他にも百舌鳥ことモズのように尾をくるくる回す例、バンやミソサザイのように尾をぴくんとはねあげる例もありますね。そしてセキレイの仲間でもイワミセキレイは尾羽を左右にふることで知られていて、あるいは和名オシリフリフリとは尾羽を振るかどうかで分類されているのはないかという仮説を立ててみることにしましょう!」 |
海ことり 「手賀沼周辺は白鳥がそのへんに転がっていたりなかなかバードサンクチュアリですが、ハクセキレイも普通にいて見ていたら飛んでいる虫をホバリングして採餌する姿を披露してくださいました。セキレイ自体は主にむしを食べるのですが歩きながら地面や土中のむしを採餌する印象がありましたのでホバリングはけっこう新鮮でした。」 |
海ことり 「ことり豆知識。羽づくろいの中でも自分の足で頭をかくことをそのまま「頭かき」と呼びますが、これも二種類の方法があって普通に足をのばす直接頭かきと、羽の外側から足をのばす間接頭かきに分類されています。鳥によってどちらの方法をとるかは決まってるぽいのでたぶん骨格の構造によるのだと思いますが羽をぷらんと下げた外側から足をのばすのは本当にやりやすいのだろーかと疑問に思いつつ。」 |
もくず 「そんなわけで皆様にご愛顧いただけたかもしれない海ことり倶楽部、ちんまりした集いですがご参加いただきましたおおぞらかけるさんアヒルのマヒルさんフィオナ・ターナーさんテーラさん(登録順)に改めて感謝のほどを表明させていただきましてありがとうございました!テリメインよりもことりがメインという方針を頑なに固持しつつ、もう少しことりの話題中心にしてもよかったよねとは思いますがまた機会がありましたらお会いしましょうー。」 |