絵 アラウの牛

形態:動物型
反応:中立
知能:低
遭遇:山岳、森林
出現:単独



 大陸の中央部、人の立ち入らない峻険な山脈には多くの賢人にもその存在を知られていない山岳民族が厳格な独自の戒律に従って暮らしている。彼らが暁の聖獣として、崇めている生き物にアラウの牛と呼ばれる動物が存在する。
 アラウの牛は実際には牛ではなく山羊の一種であり、体格はよりも大きく二本のねじくれた長い角が顔の前面に突き出した、全身が白い毛に覆われた毛深い姿をしている。頑丈で固い蹄で断崖でも斜面でも平然と跳びまわり、高地にある少ない植物を食んでいるが、最も食料が少なくなる厳寒の一時期にのみ、山から下りて人間の前に姿を現すことがある。特に現地の言葉で、日の出の方角にある高峰から下りてくるためにアラウの名がつけられたとされている。

 この生き物はきわめて警戒心が強く、攻撃的ですらあり危険に際しては勇敢に立ち向かう。角は突き刺すよりもむしろ巨体を利した体当たりに用いて、岩でも骨でも砕いてしまう。アラウの牛の角は現地では神々の真正を称える角笛に加工されており、数年に一度、大々的な儀式を伴った狩猟が行われるとき以外は牛を狩ったり傷つけることは厳しく禁じられている。


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