絵 霧の怪物

形態:妖異
反応:攻撃的
知能:低
遭遇:森林、廃墟
出現:単独から少数



 深い森の奥深く、濃霧の立ち込めるときには最も勇敢で無謀な狩人でさえも立ち入ろうとはしないのが常である。人気の無い街道筋まで張り出した霧はやがて周囲を覆い尽くしてしまい、何も知らない不運な旅人や商人が通りがかると、霧の怪物は正体を表して狩りを始める。
 たいていは数体で現れるこの怪物は、怒りくるう狂犬病の野獣めいた姿をしているが、透き通った身体は半ば周囲の霧と同化しており半全としない。だがはっきりと存在する鉤爪や牙をふりかざして獲物に襲いかかると、引き裂いてふかぶかと咬みつく。狩りにあたっては狡猾で残忍であり、数体が獲物の足元や背後を狙っているあいだに一体が確実にのどくびを狙ってしとめようとする。

 霧の怪物を傷つけることはふつうの武器でも可能だが、燃えさかる松明の火をつきつけるなどしたほうが怪物をひるませることはできる。霧の現れない気候になると怪物は姿を現わすことができず、傷つけることも傷つけられることも不可能になるが、文字どおり霧消してやがて消えてしまう。


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