絵 沼霊

形態:妖異
反応:非友好的
知能:低
遭遇:沼地、河川
出現:少数から集団



 澱んだ沼地や河川の入り江にある泥中に泥そのものの姿で潜んでいる沼霊は、旅人の不意をついて迫る危険の中でも最も無様な存在のひとつとして知られている。
 泥のかたまりが崩れかけた人間じみた姿で立ち上がると、頭のように見える部分に瞳を一つ見いだすことができ、腕を振り上げて迫ってくるがすぐに崩れてしまう。普段は泥中にただよっているだけの無害な存在だが縄張り意識が強く、水や泥の振動で侵入者と知ると、重々しいうめき声をあげて追い払おうとするがそれでも立ち去ろうとしない場合は一斉に襲い掛かる。

 沼霊に引きずり込まれた者はすぐに逃げ出さないと泥のかたまりに覆い被さられて窒息することになる。泥土めいた身体には剣も槍も効果がないが、燃えさかる炎を近づければこの生き物を追い払うことができる。賢人の間では、この生き物は身体を分裂させることで繁殖し、新たな目ができることで仲間を増やしていると言われている。


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