絵 海の王

形態:妖異
反応:攻撃的
知能:高
遭遇:海岸、廃墟
出現:単独



 海の王は海洋に棲んでいる最も恐ろしい怪物のひとつであるにも関わらず、船乗りの法螺話や漁師の伝承をひもといてもその伝えるところは驚くほど少ない。数少ない賢人の記録によれば月明かりの無い最も暗い夜、最も人気の無い海岸沿いの廃墟に現れると言われている。
 ナックラヴィーとも呼ばれ、巨体に燃えるような鬣をした駿馬の胴体から人間めいた上半身が生えているような姿をしているが、人間と馬の双方とも皮膚がなく筋肉が剥き出しになっている!鼻孔からしゅうしゅうという音を吹き出し、その姿を見た不幸な犠牲者に尊大な口調で話し掛けると水中に引きずり込んで海神の供物に捧げてしまう。

 海の王と戦うのは愚かな行為であり、鼻孔から吹き出す焼け付くような息を浴びせられると蹄の一撃で頭蓋を砕かれるだけに終わる。だが真水に弱く、浴びせることで怪物の不気味な皮膚を酸のように焼くことができる。水筒に一杯の水を手にこの恐るべき怪物に交渉を試みることは可能だ−尊大な海の王は一度交わした約束を決して反故にすることはしない−。だが、同時に約束さえ果たせば自分を侮蔑した相手への復讐も決して忘れることはないであろう。


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