第六回
☆ Act0.さてなにをかこうかな
「あ、薫。新しい部員名簿もらったんだ」
「うん…でも困ったことがあってさ」
「どうしたの?」
「今回は寮生活のお話書こうと思ったんだけどね。鬼×2さんなんかは出せるけど、綾さん&大地さんなんかはいまだに出せないーってプレイヤーさんがぼやいてるんだ」
「またあいつは…何だかんだ言って細かいこと気にするんだよな」
そんな言い方ないじゃないですか、カイル。
これでもいろいろ気にしてるんですから。
「だいたい薫に代弁させる根性が気にくわない」
「そう言われればなんでぼくがカイルにこんなこと言わないといけないんですか?」
う。だって薫くんが言ったほうがカイルも気にしてくれると思うし。
「…だからそういうことで薫を便利使いするんじゃないっ!」
わあっ!ごめんなさいカイル許して。でもわたしの気もちだってわからなくもないでしょ?薫くん&カイルのお話だから、どうしてもなかなか接点の見つからない人だっているんですよ。せっかくだからいろんな方を出したいじゃないですか。
「だから別にそんなことまで気にしなくてもいいだろ。薫だって自宅暮らしだけど今回出演するんだから、いっしょに連れてくればいいじゃないか」
ぽん。
なるほど。その手がありましたか、これはうかつでしたね。いやあさすがカイル、思わぬ盲点でした。
「…こうして見てると確かに薫のプレイヤーだなって思わなくもないよ」
「えー。カイル、ぼくってこんな性格してる?」
…薫くん。何もそんな嫌そうにしなくてもいいじゃありませんか。
☆ Act1.おやすみのあさ
平成9年5月4日日曜日。今回は聖林檎楽園学園もとい聖ルーメス学園の校舎が舞台ではありません。
聖ルーメス学園学生寮。新入生が入って間もないこともあって、せっかくのゴールデンウィークといっても長期旅行に行ってる人なんてほとんどいません。だいたい今年は連休が少ないし、遊びに行く暇なんてぜんぜんなかったんですよね。それに4日は日曜日で休日のはずなのに、国民の休日だと6日が振替休日にならないなんて…個人的な意見ですね、すみません。でも西暦2000年になった今ごろだと、連休もずいぶん増えてきたみたいです。
「はーいこんにちはー!レポーターの明石カンナでーすっ」
うわわっ!?カンナさんどうしたんですかいきなり。
「どーしたはないでしょ。女子寮じゃ薫もカイルも出るわけにいかないから、代わりに進行役やったげるっていうんじゃない」
ああ、それはまたわざわざ。じゃあせっかくですからカンナさんお願いします。
「OK。そーゆー訳で今回のプラリア『学生寮に潜む魔の影/不定形生物ブロブ来襲!』をお送りしまーす」
「誰が不定形生物ブロブだっ!」
ぼかっ。
後ろから明石カンナを殴りつけたのは鬼清見。凛々しい顔立ちのボーイッシュな娘です。隣に立っている、清見とまったく同じ顔立ちの娘が言いました。
「でもあながち間違ってないんじゃないか?」
「貴臣。お前もそういう事を言うのか?」
清見の隣に立っているのが鬼貴臣。この二人は別に双子の姉妹とかいうんじゃなくて、ドゥドック族という不定形魔法種族の清見が貴臣の容姿を借りているんですよね。カンナが言います。
「じゃ、じゃあやっぱりロデムとかターミネーター2の方が良かったかな?」
ばきっ。
カンナもけっこうこりない性格です。
◇
引き続き聖ルーメス学園女子寮の中。二階の廊下をカンナたちは足音を殺して歩いていました。貴臣が尋ねます。
「…なあカンナ。何でこんな歩きかたしてるんだ?」
「しーっ。女子寮って言ったら寝起きネタに決まってるでしょ、起こさないように静かに歩かなきゃ」
「でももう朝の8時だぜ」
「日曜日の朝だよ。TOSHIKIなんかだったらぜったいまだ寝てるって」
よけいなお世話です。
「だいたい寝起きったって誰のところ行くんだ?志麻なんかじゃ男っぽくてつまんなそーだし」
「そうだねえ(貴臣さん人のこと言えるかどーか知らないけど)。じゃあ明里さんなんてどうだろ?」
「まあ暇つぶしにはなるか…ところでお前今何かよけいな事考えてたろ」
「そ、そんなコト…ないよお」
頬をひきつらせてカンナ。そうこうしているうちに穂積明里の部屋の前にたどりつきました。
コンコン。
(…ってノックしてどうする!!)
(わたたたたっ、ゴメンちょっとした間違い。それよりまだ気づかれてないみたいだし、そーっと静かにね)
確かに部屋の中からは何の反応もありません。かちゃり。鍵のかかってない扉をそーっと開けると、四人は中を覗き込みます。カンナと、貴臣と、清見と、もう一人…。
「何やってんの?人の部屋の前で」
「どわわわわわっ!?明里、いつからそこに!」
おどろいて振り向く三人。カンナたちの後ろに立っていたのは穂積明里本人でした。
「いつって朝ご飯食べて戻ってきたら何かやってるから」
「じゃあ志麻さんとかももう起きてるのかな?」
「ええ。さっき出かけてくの見たわよ、カンナ」
「何だみんな早起きだなー。少しはTOSHIKIにも見習ってほしいよね」
だからよけいなお世話ですってば。貴臣が言います。
「…まあいいか。それより今日は暇だな、何すっかな」
「私はちょっとバイクで横浜の方まで流してくるけどね」
「お、いーな。私も一緒に行こうかな」
「え。それはちょっと…」
「何だ裕とデートかよ。やだねえ、これだからラブラブなやつは」
「そ、そんなんじゃないわよ!ちょっと遊び行くだけじゃない」
赤くなって明里。ほんとうに「ちょっと遊び行くだけ」なのかもしませんですが、意外にからかわれると反応がおもしろいタイプなのかもしれません。多少あきれたように貴臣が言います。
「はいはいはいはい分かったよ。じゃああたし達は別に出かけてくっかな、カンナはどーすんだ?」
「あたしは今日は男子寮に行くけど。カイルに誘われたんだ」
「カイルに?へえ、めずらしい事もあるもんだ」
意外な組み合わせに驚いたように貴臣。
「暇だからにぎやかしに来てくれーってさ。あはは、男子寮はまだ遊びに行ったことないからちょうどいーよね」
…お前それは女として見られてないぞ。貴臣はあやうくそう言いかけましたが賢明にもこらえることができました。
「そういう訳でそろそろ準備しないとね。それじゃあ男子寮に向かってる田中薫くーん!」
☆ Act2.あそびにいこうよ
「はーい田中薫でーす。カンナさんマイク受けとりましたあ」
「何やってんの?薫」
男子寮に向かう途中。田中薫と天堂綾と因幡大地の三人が歩いていました。
「え。ちょっとレポーターの引継ぎを」
「れぽおたあ?」
よくわかんないという顔で綾。その隣でのほほんと歩いている大地が言います。
「やあいい天気ですねえ」
「…」
「ん?どうかしましたか、綾」
「大地…話題に何の脈絡もないんだけど」
こめかみを押さえるように綾。のほほおんと大地が言います。
「まあいいじゃないですか。昨日は一日雨でしたからね」
「そりゃそうだけどね」
天堂綾16歳。元気で気が強くてプロレス好きな女の子。パートナーの因幡大地はのんびりしていて昼寝と散歩と読書が好きという男の子。お互いに好意を持っている二人ですが、たったひとつ。綾には大地に不満がありました。
(えーい、大地の奴なんでこんなにいつものんびりしてるの。私だってたまには力一杯ツッコミたい時があるのにっ!)
のんびりしていて人の好い大地。こういう相手だとなかなか気もちのいいツッコミができません。
(ジャイアントスイングや投げっぱなしジャーマンスープレックスやタイガードライバー’91とまでは言わないけど、一本足頭突きやヘッドロックやコブラツイストくらいは決めたいのに決めたいのに決めたいのにっ)
「どうかしたんですか、綾さん?」
綾の顔を覗き込むように薫。そのとなりで大地はあいかわらずのほほんと歩いていました。
「え?ああその…何でもないわよ。あははははは」
何のことはない、元気がありあまってしかたがないだけなんですけどね。
◇
寮の玄関についた三人。出迎えたのはカイル・グリングラスとキリカゼ・フィリーでした。
「おはよ薫。大地に綾もおはようございます」
「なんだカンナは一緒じゃないのか、まったくしょーがねーなアイツは」
ちなみにキリーことキリカゼはリトルスター族。二本足で歩いたり会話をしたりはしますけど、外見は単なるネズミにしか見えません。綾もあいさつを返します。
「あ、こんちはカイル、ガンバ」
「だ、誰がガンバだ!人をネズミと一緒にするんじゃねぇッ」
「そお?でもあたしガンバ好きだよ」
「だからお前の好みは関係ないだろ」
「わかったわよイカサマ」
「えーい、いいかげんその話題から離れろっ」
ぜえぜえぜえ。息をきらして興奮しているキリーと、あきらかにからかっている様子の綾。大地が仲裁に入ります。
「まあまあ綾もそのへんで。ガンバさんも落ち着いて下さいよ」
「だから俺はガンバじゃないって言ってるだろ!」
火に油をそそいでいる大地。悪意のないところがかえって始末におえませんね。薫も仲裁に入ります。
「と、とにかく中に入りませんか?キリカゼさん、いつまでも立ち話も何ですし」
「そ…そうだな。でもお前もわざわざキリカゼさんなんて堅苦しく呼ぶことはないぜ。同じ学年なんだし、愛称で呼んでくれてかまわないからな」
「はい。わかりましたガンバさん」
しばらくキリーは立ち直れませんでした。
☆Act3.きしょうてんけつのてん
「でも女生徒が男子寮に入れるんだから、考えてみれば意外にルーメスもルーズよねえ」
引き続き男子寮の中。大地に向かって綾が話しています。
五月倶楽部で寮暮らしをしている部員はだいたい半分くらい、あとは約一名の部室暮らしを除いてほとんどが自宅暮らしです。知り合いが多ければ寮の中でもたいていはにぎやかになるものですよね。ちなみに秋野志麻さんはナンパに出かけたカーマイン・ロッドさんをしばきに出かけていて二人とも今日はいませんでした。
「まあパートナー制がありますからねえ。僕も綾の家に居候してますから、あんまりえらそうな事は言えませんけどね」
「…わかってるわよ」
ちょっと照れたような顔で綾。ラブラブしそうな連中はこの辺でほっといて場面を娯楽室に移しましょう。
「…それでは問題1。スナフキンの父親の名前は?」
「んーと。ヨクサルですよね」
「そんなことよく知ってるな、薫」
娯楽室の中。桃風を囲んで薫やカイルたちが『スナフキンカルトクイズ』に挑戦していました。パンダ人ことターパン族の桃風(註2.姚風の間違いです)、気のいいパンダさんとして一部の部員たちには特に親しまれています。
「正解。じゃあ問題2、スナフキンの宝物は?」
「はーい、あたしこれ知ってる。おばさんにもらったハーモニカでしょ?」
文学少年の薫に雑学の好きそうなカンナ。さすがに魔法世界出身のカイルやキリーには厳しい問題ですね。そんな問題を何で桃風が出しているのかはまた別の問題ですけど。人の好さそうな…パンダの好さそうな笑みをうかべて、姚風が言いました。
「はい正解、それじゃあ問題3はどうかな。スナフキンが世界で唯一嫌いなものは?」
「んーと…」
「何だろ…」
今度は薫もカンナも答えにつまってしまいました。後ろから別の声が聞こえてきます。
「正解は看板、というか立て札だな。いろんな禁じ事の書かれた看板がスナフキンは何より嫌いなんだ」
まだ眠そうな顔をして歩いてきたのは井良かおるでした。自称スナフキン信奉者、実は単なる酒飲みの(おいおまえ高校生だろ)めんどうくさがりだという噂もあります。ちなみにわたしはお酒ならワインが好き♪
どうでもいいですね。井良の方を見て姚風が言いました。
「ああかおるくん。ようやく起きたのかい」
「まー日曜だと部屋にいる方がうるさいからな。そういう訳で自由と孤独を愛する俺としては、静かな裏庭で昼寝でもしてくらあ」
「昼寝ってまだ朝だよ」
「ああ、いいんですよカンナさん。かおるくんは単にごろごろしていたいだけなんですから」
カンナに向かって姚風が言います。おだやかな表情とのんびりした口調ですが、言ってる内容はけっこう辛辣ですね。それでも奇妙に邪気を感じないのは井良の日頃のおこないと、姚風の人徳…もといパンダ徳というものでしょう。井良はやられたという顔で軽く苦笑すると、裏庭に行ってしまいました。
ぽかぽかとした五月晴れの一日。この日は夏日になるくらい暑かったんですが、すずしい裏庭でなら昼寝にはちょうどいいでしょう。
◇
「さーて、そろそろかな」
「どうしたんですか?カンナさん」
何かわくわくと待ち構えるような様子でいるカンナに向かって、薫が尋ねました。
「起承転結の転よ」
「てん?」
「そっ。お話のすじから言うと、そろそろここで大きな事件が起こる訳。アタシとしてはこういうシャッターチャンスは事前に予測しておきたいのよね」
「はあ」
カンナの講義がつづきます。
「そこで今回誰のところに事件が起こるかって言ったら、Act.0の内容とAct.2から3の引きを見る限り綾&大地のコンビが一番可能性が高いでしょ?だからこうして二人を探してるんだけど」
「でもそんなお話のすじなんか読んでもいいんですか?TOSHIKIさんが困りそうですけど」
「いいって別に。あたしのプレイヤーじゃないもん」
カ…カンナさん。あなた妙にわたしのお話に出てくると思っていたら、そんな予測してたんですか?そういえば薫くん&カイル以外で毎回出番があったのってカンナさんくらいですけど、あきれたというか感心したというか。
だかだかだかだかだか…。
「ほーらきたきた、あっ綾と大地の二人もいたよ」
一階に降りる階段下のあたりを綾と大地が歩いています。だかだかとけたたましい足音が聞こえてきたのは二階のほうからでした。
「待てーフォートナムーっ!!」
「わーっ。健ちゃんごめんって言ってるでしょー!」
逃げるフォートナム・メイソンに追いかける天野健一。原因は健一が遊んでいたゲームの電源コードをフォートナムが足でひっかけて切ってしまった事にあるんですが、もうそんな事はどうでもよくなっているみたいで二人とも追いかけっこに熱中してるようです。
「んー?まあシャッターチャンスとしては無難なトコかな」
そうつぶやいてポケットカメラを取り出すカンナ。ですが手をすべらせて落としてしまいそうになります。その間にも階段を駆け下りてくるフォートナムと健一。
「健ちゃんしつこーい!許してよー」
「だーめっ。まだセーブもしてなかったんだぞ!」
ちなみにシミュレーションRPGは戦闘シーンでもセーブできるようにした方がいいと思います。でも「テラ・ファンタスシカ」はいいゲームですよね。フォートナムが踊り場を折り返すところで、カンナたちの前を横切ります。その時。
パシャッ!
カンナが手に持っていたカメラが誤作動してシャッターが切られました。いきなりフラッシュを浴びて驚くフォートナム。
「うわわっ!?」
「きゃあっ!」
「おいっフォートナム!!」
「わーっあぶなーいっ!!」
体勢をくずして階段から落ちるフォートナム、それもちょうど階段をのぼろうとしていた綾の真下にです。いくらなんでもこれは大惨事の予感。
がしっ。
正面からなんとかフォートナムをキャッチする綾。ちょっとうらやましいシチュエーションかもしれませんが、冗談を言ってる場合じゃありませんね。女の子の力でフォートナムの落ちてくる勢いと体重を受けとめるのはさすがに無理があります。二人ともそのまま後ろに倒れそうになって…。
「でーいっ!!」
かけ声とともに綾は身体を後ろにそらせて、フォートナムをほおりなげます。おおっフロントスープレックス炸裂!
「しまったー!つい投げちゃった」
どしーーーーーーーーーーーん。
受け身をとると、あわてて後ろをふりかえる綾。目の前では大地がフォートナムの下になって倒れていました。おかげでフォートナムは目をまわしていたものの、たいした怪我もしないですんだんですけど。安心したように綾がつぶやきます。
「…あー良かった。大地、だいじょうぶ?」
「だいじょうぶですけど…おもいんでなんとかしてくれませんか」
「ああごめんごめん。でもわざわざフォートナムの下になってかばってあげるなんて、ちょっと感心したな」
「いやあ。とっさに避けようとしたんですけど、まにあいませんでした」
「…」
らしいといえばらしいけど。大地のことを一瞬見直していた綾ですが、けっきょくあきれてしまいました。踊り場にいたカンナたちも安心して一息。
「あぶなかった…せっかくの綾さんのスープレックス撮りそこなうトコだったあ」
ぽかっ(×2)。
とりあえず薫とカイルが同時につっこんでおきました。
☆ Act4.きょうもいいてんき
「…そんな事があったの?たいへんだったわね」
「いやー、さすがにあたしもちょっと気まずかったかな」
日も暮れた頃、秋野志麻も寮に帰ってきていました。ちなみに女子寮の方ですよ、男子寮に遊びに行っていた娘たちも帰ってきているんです。娯楽室ではティーカップをはさんでカンナと志麻が話していました。
「でもたいへんってゆーなら志麻さんの方がたいへんだったんじゃない?カーマインのおもりで」
「まったく…でもいつもの事だからねえ」
「そんなこと言ったらこっちもいつもだもん」
「あはは、そうね。そういえば綾たちはどうしてるの?」
「あ、そーだ。一緒にお風呂行こって。あたしたちも行かない?」
「いいわね。そうしましょうか」
平和で平凡な休日の平和で平凡な終わり、事実はどうあれ当人たちはそう思っているんです。きっとあさってには平和で平凡な平日が始まるんでしょう。
「なんで明日でなくてあさってなの?」
きまってるじゃないですか、カンナさん。明日は5月5日でお休みだからです。
「あ…なるほど」
◇
ちなみに。ひさしぶりに豪快に大技を決めた綾さんはすっかり機嫌がよくなっていました。どーせなら大地を受けとめられたら良かったなーとか考えているみたいですが、その辺はほっときましょう。
で、綾さんのスープレックスの写真ですが、今は彼女の家の机の上に飾ってあったりするんです。
おしまい
☆次回予告
♪ちゃーちゃーちゃーちゃちゃんちゃーんっ。
「えっと。こんにちは速波水生です」
「あれ?水生さんどうしたんですか」
「あ、薫さん。今回私出番がなかったんで、せっかくだからここだけでも出ないかって言われたんです」
「ふーん。でももうすでに次回予告のコーナーって感じじゃないですよね」
「別にいいんじゃないですか?あっそーだ、それじゃあ次回予告しましょう」
「え?」
「もうすぐ夏ですし、次回はプールで泳ぐお話です。いいですよね?薫さん」
「え?えーと、その」
「予告しましたよ。予告したからには次回はプールで泳ぐお話ですね」
「いやだからその」
「…だめですか?」
「…いや、別にだめじゃないですけど」
「あは♪じゃあ決まりですね」
「…はい」
「それじゃあ次回も、大正桜に浪漫の嵐っ!!」
ちゃーちゃーちゃーちゃちゃんちゃん♪
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