ふとん乾燥機を買いました


 ぼくはふだんけっこう忙しいうさぎさんですので、あんまりお家にいることができません。あんまりお家にいることができないと、お休みの日におふとんを外に干すこともできないのです。おせんたくものなんかはお部屋の中に干すことだってできますけど、おふとんをお部屋のなかに干してもなんにも意味がありません。ですから、まえまえからの念願だったふとん乾燥機を買うことにしたのです。ぼくのお家にふとん乾燥機さんがやってきました。

 おふとんを敷いて、ふとん乾燥機のまっとを敷いて、毛布とかけぶとんをかけて。すいっちおんして2時間くらいそのままにしておくのです。これだって毎日できるほどにはぼくは時間が無いうさぎさんだったりするんですけど、でも週に2回とか3回とかならできるとおもいます。
 あったかい空気でふくらんだまっとはかけぶとんを押し上げて、ふかふかとふくらんでいるのです。ふとん乾燥機さんは2時間のあいだがんばってごおごお言いつづけてましたけど、たいまーが切れるとふうせんがしぼむみたいにふくらんだかけぶとんもしぼむのでした。

 説明書。ふとん乾燥機のたいまーが切れてすぐのおふとんには入らないでくださいとありましたので、ちょっとまってからまっとを引きぬいてきちんとたたんでしまうのです。どきどきわくわくしながらおふとんに入ります。


 うきゃあ。

 うきゃあ。

 うきゃあ。

 うきゃあ。

 うきゃあん。


 うさぎさんはおふとんの中でとけてしまいました。ぼくはこれからおふとんに入るたんびにとけてしまうような生活をおくることになってしまったんです。
 おやすみの日にお家にいることができたりなんかした日には、お外におふとんを干したあとでふとん乾燥機をかけることだってできるにちがいありません。お風呂に入って、あったまって、よく身体をふいてからふかふかのおふとんに入ったりなんかしたら、もうぼくはすっかりとけてとろとろになってしまうでしょう。

 ふとん乾燥機はうさぎさんをとろとろにしてしまう機械だったのです。