アドバンスガーディアンヒーローズ(トレジャー)

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(c)TREASURE

発売:トレジャー(2004) 機種:ゲームボーイアドバンス ジャンル:アクション
評価:★★★★☆
 セガサターンの名作ガーディアンヒーローズの続編として、ゲームボーイアドバンスで出された横スクロール式の格闘アクションゲームです。とはいえ世界観やキャラクター、ストーリーこそいちおう引き継がれているものの、アクションゲームとしては前作の面影を残しながらも大幅に変更されている点が多いので続編を意識する人には違和感が多いかもしれません。複数のキャラクターが入り乱れる中で、敵味方おかまいなく豪快に殴り倒していくシステムが前作の魅力でしたが、今作ではガードやカウンターを駆使したより正確な操作が要求されるゲームとなっています。
 舞台は前作よりも後の世界。主人公は「英雄魂」である貴方自身で、姫に呼ばれてこの世界に召喚されると一人の兵士の肉体を借りて戦いへと赴きます。プレイヤーとゲーム世界に対する立ち位置がいかにもトレジャーならではですが、いわば前作の不死英雄戦士(アンデッドヒーロー)が今回の主人公になる訳です。シナリオとしては前作のエンディング「光の騎士」で創造主に挑んだ英雄たちが、その思いを果たすことのできなかった世界なのでちょっと切ない展開に思えるかもしれません。

 アクションの軸となるのがカウンターの存在で、相手の攻撃にタイミングを合わせてガードをするとすべての攻撃を弾き返すことができるシステムになっています。基本的にこれを駆使することができなければまともに攻略すらできませんが、正確な操作ができなければMPを消費していき、しかも回復が難しいので(トレジャーのゲームとしてはともかく)難易度は高めになっています。初心者であればMP消費のないイージーモードが楽ですが、安易な戦い方に慣れてしまうとノーマル以降で苦労するのはいかにもトレジャー作品らしいゲームバランスでしょうか。豪快に敵をなぎ倒すのではなく、タイミングを合わせたカウンターが敵にガシガシ決まっていく無敵感覚が楽しいゲームなのでMP消費をなしにするよりもカウンター連打ができないようにしてくれた方が良かったのではないかと思います。
 ガーディアンヒーローズらしい、サイズから個性まで多彩なキャラクターによるアクションも見もので、ストーリーモードでは二人同時、対戦では四人同時に参加して暴れる楽しさが爽快。主人公以外にも前作の英雄たちやボス格の敵から雑魚までを使えるようになっているので、サイクロプスやゴブリンにローパーでストーリーモードをクリアすることさえ可能です。英雄魂が彼らの肉体を借りて戦うという、シナリオそのものがゲームシステムになっている訳ですね。このキャラクター選択と難易度調整のおかげで初心者から腕に覚えのある人まで、それぞれの方法で遊べるようになっているのはありがたいところです。ノーマルあたりで全キャラクリアを目指してみるのが無難に楽しいでしょうか。

 おなじみチュートリアルやコンティニュー操作ほかの親切さ、演出から音楽に声優まで豪華で良質なアクションゲームですが、前作と同じゲームを続編に求める人にはたぶん不満が多いのではないかと思います。とはいえ個人的には同じゲームを求める人は前作で遊べばいいじゃないかと思わなくもありません。こんなのカウンターできねーよと嘆きながら四方八方から襲いかかる、敵に囲われたときのスリルとそれを切り抜ける楽しみが存分に味わえる豪快さと緻密さの双方が求められる良質のトレジャーアクションです。

 天上神とのカウンター勝負はわずか10000分の1秒をめぐる攻防となりますが、うっかり失敗したときの画面があまりに切ないのでものすごいプレッシャーがかかりますよね。
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