バルーンファイト(任天堂)

balloonfight
(c)Nintendo

発売:任天堂(1985) 機種:ファミリーコンピューター ジャンル:アクション
評価:★★★★☆
 任天堂のVSシステム筐体で発売された、アーケードゲームのファミリーコンピューターへの移植作品です。風船を二つ背負って空を飛ぶ主人公が、同じように飛んでいる敵の風船を割って落っことすというゲームですべての敵を落とすとステージクリアになりますが、逆にこちらが風船を割られたり水面に落ちるとミスになります。ちなみに水面近くを飛んでいると、大きな魚が現れて敵でも主人公でも丸呑みにしてくれます。 アーケード版のステージは上下二画面をスクロールする広さとなっていますが、ファミコン版では一画面。左右で操作してボタン連打で上昇しますが、必死こいて手ではばたく姿が健気に見えなくもありません。基本的に相手の上にいる方が有利ですが、風船を割られて一つになってしまうと上昇速度が鈍くなるので注意が必要です。

 ゲームモードは三種類あって、一人用のモードAと二人同時プレイ用のモードBではアーケード同様に敵をすべて倒せばクリアになりますが、正直なところ難易度があまりに低く、慣れてしまえばほとんどゲームオーバーになりません。スタート時こそ主人公は一番下にいますが敵が飛び立つまでに時間がかかるので、面ごとに速攻で蹴り倒すパターンさえ作ってしまえば特に不利になることもないでしょう。うっかり風船を割られてしまっても、一つだけであればボーナスステージで回復します。
 伝説の対戦格闘ゲーム、マリオブラザーズのように二人同時プレイで殺し合いをする手もありますが、マリオ&ルイージとは違って直接手が下せてしまうのでイマイチ楽しくありません。主人公同士で風船を割ることができるのはむしろ混戦時にうっかり味方を落としてしまう緊張感を出すためかと思いますが、逆に相手を水面や敵の近くに追い込むといった攻防ができなくなっているのです。

 ですがモードAとBだけであれば物足りない、このゲームの真骨頂はモードCのバルーントリップでしょう。ファミコン版専用となるこのモード、ひたすら左にスクロールする海の上をカミナリを避けて風船を取りながらただ飛び続けるというものです。一人プレイ専用で敵も登場しないので風船を割られることはありませんが、残機設定がないのでカミナリに当たるか魚に食べられたりするとゲームオーバーになります。
 当時のゲームの常で、カミナリや風船の配置は一定になっていて完全にパターン化することができるので純粋にスコアを競うことができるのが魅力。ある程度進むと難所とでもいいたくなる場所が登場して、上下や斜めに移動するカミナリをかいくぐって先に進む場面や、魚に襲われる危険を承知で水面近くを抜ける場面といった「コース」を探してそれを攻略する楽しみがあります。

 まずはモードAやBで操作に慣れたら、バルーントリップの記録に挑戦してみてください。
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