ドラゴンクエストII 悪霊の神々(エニックス)

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(c)ENIX

発売:エニックス(1987) 機種:ファミリーコンピューター ジャンル:ロールプレイング
評価:★★★★★
 後のIIIと並んで社会現象と呼ばれるまでになり、ドラゴンクエストの名を不朽のものにした名作シリーズの第二作。竜王を倒してアレフガルドを救ったロトの勇者の子孫である三人の王子王女が、邪神復活をたくらむ大神官ハーゴンを倒すべく旅に出るという物語です。気をてらわないオーソドックスなシナリオを、展開とシステムで魅せるというドラゴンクエストらしさを追求したシリーズでももっとも洗練された作品。

 可能な限りシンプルであった前作を踏襲しつつ、一対一であった戦闘をパーティ戦に発展させたシステムが最大の特徴で、パワフルな戦士であるローレシアの王子と呪文のエキスパートであるムーンブルクの王女、そしてトンヌラの三人を連れて戦います。登場人物の能力からレベルの上がり方まで細かく設定することによって、ドラゴンクエスト特有の計算され尽くした難易度が実現されており、長い冒険の道のりでその場所にふさわしいレベルと強さが考えられている点は見事です。それでいてシステムの発展に合わせた多様な攻略も可能になっていて、ひたすらレベルを上げて力押しに攻略を行うことも、相手の特徴や補助呪文の効果を考えて工夫しながら戦うことも、どちらも無理なく行うことができる点はバランスの妙ではないでしょうか。
 オークやガーゴイル、ギガンテスといったいわゆるファンタジー的なものや神話から用意された敵が増えている一方で、前作でのいかにもドラゴンクエスト的なモンスターも踏襲されているのが魅力。ことに地域や場所によるモンスターの配備が絶妙で、くびかりぞくが出る密林やじんめんじゅやマドハンドがうろつきまわっている平原など、その地域が持つイメージをモンスターによって現すセンスは脱帽ものです。ロンダルキアに到る洞窟の地下で、くさったしたいが横行する一帯は深く考えずとも不気味な恐ろしさを覚えずにはいられないでしょう。

 全体的に難易度は低いですが、ことにロンダルキア周辺の終盤部だけは厳しい場所も多くシリーズでも敬遠されることがある作品ですが、単純に力押しをするのであればあくまでローレシアの王子を中心にして他の二人は回復と防御を意識すること、工夫をして戦うのであれば呪文だけでなく道具まで駆使することが基本です。特にロンダルキアの攻略では全員にちからのたてを持たせておけば、回復ができるのでMPが不足することもないでしょう。終盤にトンヌラが死ぬと復活ができなくなるという欠点こそありますが、デビルロードやバズズのメガンテは唱える条件があるのでザラキさえ気をつけていればいい筈です。
 ほかにもドラゴンクエスト特有のあぶないみずぎやふくびきけんといった遊び要素が用意されていたり、使う者の想像力を刺激しまくったパルプンテの呪文など、魅力的な世界に演出と完成されたシステムの組み合わせが見事な名作。明るく美しい音楽や16×16ドットを駆使したキャラクターパターンに、エリアごとに表示することで迷路にしながらも単調にならない洞窟の表現など、ゲームとしての遊びやすさと親しみやすさがどこまでも追求されている作品です。

 あえて希望をいうならパルプンテの効果をもっと多彩で滅茶苦茶にしてもよかったという程度でしょうか。個人的にはパルプンテの呪文はハマンマハマンをすら充分に超えているものではないかと思います。
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