ゲームボーイウォーズアドバンス(任天堂/ゲームボーイアドバンス)

gameboywarsa
(c)Nintendo

発売:任天堂(2004) 機種:ゲームボーイアドバンス ジャンル:シミュレーション
評価:★★★★★
 任天堂のシミュレーションウォーゲームのシリーズ、ファミコンウォーズのゲームボーイアドバンス版です。もともと海外で発売されていた1が国際情勢の都合から日本では発売できず、続編の2と合わせてようやく発売されたという作品になります。四つの国が争うコスモランドを舞台に、レッドスター軍の新任のシレイとなり個性的なショーグンたちを率いてブラックホール軍の悪だくみを暴くのが1のシナリオで、続編の2では復活したブラックホール軍がマクロランドに侵攻を開始して、四つの軍がそれに抵抗するという内容になります。
 ゲームの基本は歩兵に戦車や飛行機、船といったユニットを動かして敵を倒しながら都市や工場を占領したりして、相手の首都を占領するか全滅させれば勝ちとなります。キャンペーンモードでは各ステージごとに用意されている勝利条件を満たして次のステージに進むようになっていますが、1人用や対戦プレイ、高得点でのクリアを競うトライアルなど色々な遊び方ができるようになっています。

 戦術シミュレーションウォーゲームとしては、いわゆるヘックスマスも使わずになるべくルールを単純に分かりやすくしている上に、特に1では初心者にゲームの操作方法を教えてくれる「サクセンルーム」というモードまである親切設計。陸海空といった基本的なユニットの存在もしっかりと抑えていて補給や搭載、間接攻撃といった多彩な行動ができるようになっています。一方で特徴がはっきりしすぎて極端に見えるきらいはありますが、それでいてわずか1ポイントや1マスの違いが行動や戦況に影響を与えるようにバランスが取られているのは絶妙です。
 そしてこのゲームを最も色濃く象徴しているのがショーグンたちの存在で、個性的な外見とそれ以上に個性的な性能を持っています。ユニットの得意や苦手があったりブレイクと呼ばれる特殊能力を持っていて、例えばゲージが満タンになると特異体質で雪を降らせることができたりします!この能力のせいでキャンペーンやトライアルでは誰を選ぶかによって難易度を変えることができますが、中には反則にしか思えない性能をしたショーグンもいるので対戦では注意が必要でしょう。

 対戦用まで含めると異常なほどにマップ数が多く、キャンペーンやトライアルで稼いだコインによって更に追加マップや遊べるショーグンを増やしたり、マップエディットモードまで用意されていてほとんど遊び尽くせないほどのボリュームがある作品です。キャンペーンの難易度では1、2、2ハード、そして1ハードという具合に高くなっていますが特に1のハードキャンペーンは常軌を逸した難しさなので腕に覚えがある人は是非とも挑戦してみましょう(クリアするとキャサリンがショーグンとして使えるようになります)。

 個人的には続編となる2よりも1のほうがシステムもシンプルで好みですが、登場するショーグンたちも時に1とは別人にしか見えないほど真面目になる2に比べて、不安になるほど個性的な1の人々にちょっと惹かれてしまいます。15歳でもと海賊のモップさんや主人公格にもかかわらずチョコレートあげると言われて誘拐されてしまうリョウくん、軍服の上に甲冑を着ているキクチヨさんなどまるで軍人に見えない方々が揃っていますが、愛くるしい青サンタことホイップさんの魅力にハラハラドキドキ(主にハラハラ)させられること請け合いです。

 「勇の空者」イグールが領空侵犯しまくっているような気がするのですが。
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