餓狼伝説−宿命の闘い−(セガ)

garoudensetsu
(c)SEGA/SNK

発売:セガ(1993) 機種:メガドライブ ジャンル:対戦格闘
評価:★★★☆☆
 当時のSNKを代表していた対戦格闘ゲームのシリーズ第一作、餓狼伝説の移植作品です。メガドライブのゲームとしては妙に本数が多く作られたのか、後の中古市場で一本200円くらいで売られていたことでも知られています。同時期にカプコンから出ていたストリートファイターIIと比べて、前後2ラインを移動して戦うことができるシステムが独特になっていますが、アーケード版のもう一つの特徴であった二人協力プレイから対戦プレイというシステムはなくなっています。
 一般的にコマンド入力が難しいことで知られているこの手のゲームで、メガドライブ版では全体的に操作がかんたんな上に方向キー操作後にボタンを押して、そのボタンを放したときに技が発動するシステムになっている点が最大の特徴。そのためあらかじめ必殺技コマンドを先行入力しておいてから、発動するタイミングをずらすことができるほか、いわゆるタメ入力もないので初心者でもかなり豪快に遊べる点が魅力です。一方で対戦格闘ゲームとしてはかなり大味なところがあって、一度ダウンを奪ったら起きあがりに判定の強い技を重ねることでかなりの力押しが可能ですが、反面この大味さのせいで素人でもすぐに遊べるのはこの手のゲームとしては稀有な作品ではないでしょうか。

 容量の都合もあって、アーケード版と比べるとホア・ジャイとビリー・カーンの二人が削られており、ボーナスステージなどもありませんが粗くても豪快なグラフィックと餓狼伝説らしい個性的なキャラが揃っていてパーティーゲームとしてはなかなかよくできた作品だと思います。ボイスが酷評されることの多いメガドライブですが「烈風拳」と叫ぶギース様の野太い声はいい感じではないかと。
>他の記事を見る