グランディア(ゲームアーツ)

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(c)GAME ARTS

発売:ゲームアーツ(1997) 機種:セガサターン ジャンル:ロールプレイング
評価:★★★★★
 ゲームアーツの名作ロールプレイングゲームのシリーズ、グランディアの第一作。産業革命の始まった世界で、失われつつある冒険と冒険者の存在にあこがれる少年ジャスティンが、精霊と光翼人の謎を求めて古代エンジュール文明の鍵であるアレントの地へと旅立つお話です。昨今のロールプレイングゲームでは今どき珍しい正当派の冒険ものであり、世界の果てへの強い憧れを持つ少年の冒険心と正義感が、数あるアングラ指向のゲームが氾濫している中でまるで少年漫画のような楽しさを感じさせてくれます。

 肝心のゲームシステムはポリゴンによる3D表示とスプライトを使用した2D表示が巧みに組み合わされた360度マップと、IPゲージによる行動順位の奪い合いを駆使するテンポのよい戦闘場面が主体となっていて、分かりやすさと爽快さが魅力です。マップ内の敵をふつうに倒していけばふつうにレベルが上がっていくために余計な経験値稼ぎも必要なく、最後までゲームのテンポが損なわれません。
 あえて難をいえば視点変更が自由なために、迷路よりも広いフィールドの方が道に迷いやすくなりがちなことと、肝心の戦闘自体の難易度が低いためにたいていは一方的に勝ててしまう反面、IPゲージの奪い合いで敵を流れに乗せてしまうと一方的に負けてしまい、不利な状況からの逆転が難しいところでしょうか。マップ内の回復ポイントがあちこちに置かれているために、冒険や探索ならではの補給が尽きる恐怖がなく、回復アイテムがほとんど用をなさずに先に進むことができるのももったいないところですが、それぞれゲームとして気になるほどではないと思います。

 演出面では冒険を印象づける、地域ごと風習から気候の違いまで感じさせる特色の表現が見事で、町や村で売られている特産品も地域色豊かなものが揃えられているのは魅力。特に背景に流れる音楽が絶品で、中米風のニューパームやバリ島風のガンボがBGMによって表現されているのは見事というしかありません。随所にあるデモシーンやアニメーションもゲーム性を損なわない程度に、しかも絶妙に用意されていて世界の果てをはじめて目にする場面や古代エンジュール文明の繁栄を映し出す壮大なアニメーション映像もあれば、ガーライル軍の三人娘を列車で置いてけぼりにするシーンのようなコミカルな場面までしっかりと作られています。デフォルメされたキャラクターの動きも驚くほど多彩で、疲れて尻もちをつくスーの動きや母さんのお盆チョップは必見でしょう。
 滅びた古代文明の存在をベースにしながら、人と人とのつながりを描く姿が後に続くグランディアシリーズとしてのテーマになっているのではないかと思いますが、今作では特に冒険のイメージが強いために世界の果てを越えるまでの展開と、壁の向こうの世界でエンジュールの遺産に振り回される展開の差に違和感を覚えることはあるかもしれません。それでも無邪気な好奇心で数々の困難を乗り越えていく、子供の正義感と冒険者の魅力にあふれた、サターンを代表する名作ロールプレイングゲームです。後にプレイステーションにも移植されていますが、読み込みや表示の快適度がかなり落ちているので可能であればサターン版をお薦めします。

 ギド族のモゲはいいですね。
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