斑鳩(トレジャー)

ikaruga
(c)TREASURE

発売:トレジャー(2002) 機種:ドリームキャスト ジャンル:シューティング
評価:★★★★★
 プロジェクトRSと呼ばれる、レイディアントシルバーガンに続くトレジャーのアーケード版シューティングゲームの移植作になります。続編とはいえ前作との共通点は産土神黄輝ノ塊(ウブスナガミオウキノカイ) と呼ばれる「石のような物体」の再登場であり、その最後に訪れる1分間避けの演出でしょうか。

 ゲームはシルバーガンと同様の縦スクロールシューティングで、通常ショットに力の解放と呼ばれるボム的な攻撃、そして本作の最大の特徴となる属性切り換えを行うことができます。自機である斑鳩(イカルガ)と銀鶏(ギンケイ)、そして登場する敵や撃ち出される弾の全てには白と黒の属性が存在し、自機は同属性の弾を吸収することで力の解放を行うためのエネルギーを溜めることが可能です。逆をいえばすべての敵弾は同属性状態であれば撃墜されることがなく、反属性状態であれば一撃で撃破されてしまうのでこれを確実に切り換えなければ相手の攻撃を決して避けることができません。また敵に対する反属性攻撃はダメージが激増する一方で、同属性攻撃で倒された敵は撃ち返し弾を発射するので反属性を利用して敵にダメージを与えつつもとどめは同属性で破壊して弾を吸収、力の解放のためのエネルギーを溜めていくのが基本となります。
 シルバーガンほどのストーリーは語られていませんが、産土神黄輝ノ塊に挑む森羅(モリラとは読まない)と篝(カガリ)の戦いであり、前作では繰り返されていた過ちを今回は破壊する結末によってかえって多くの謎とその後を思わせるストーリーになっているのは面白いところでしょうか。完璧なパターン性と精密な動きと射撃を求められるのは前作以上で、ドリームキャスト版と同時期に発売されていた攻略DVDには常軌を逸した映像が収録されていてこちらもお薦めです。チェーンコンボによる得点稼ぎやパーツごとの動きが見事なボス、存在自体が地形となっている巨大要塞鶚(ミサゴ)の登場など、魅力的な展開も前作から引き継がれています。あえて難を言えばあまりにパターン性が強く、ことに難易度が上がるとシルバーガンのようにその場の判断で攻略する余地が少なくなっていることでしょうか。ただし同じ行動をすれば同じ結果が得られる、その完璧な動きは同社のエイリアンソルジャーにも勝ります(8ビット機時代のランダム関数がパターン化されていたのを再現しているのかもしれません)。

 2人プレイで遊んだときに、1分間避けの最後でコンティニューをした篝さんの姿が消えて森羅さんが一人自爆した光景が今でも忘れられません。
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