探偵神宮寺三郎　横浜港連続殺人事件（データイースト）

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発売：データイースト(1988)　機種：ファミリーコンピューター　ジャンル：アドベンチャー
評価：★★★☆☆
　前作のラストで予告していた、探偵神宮寺三郎シリーズの続編になります。日之出という青年から失踪した婚約者エバの捜索を頼まれて、神宮寺と助手の洋子は横浜へと向かいますが、そこで彼らは思いもしなかった大規模な密輸事件に巻き込まれていくことになります。
　前作新宿中央公園殺人事件と比べての違いはフィールド場面がなくなったことで、よくも悪くもふつうのコマンド選択式アドベンチャーゲームになったことでしょうか。シリーズ化を意識してか、主人公である神宮寺三郎の性格や個性が随所で説明されているのもポイントで、神宮寺自身の顔が画面に表示されていることもありますが、それとない趣味や性格などが時々語られるようになっています。一見ハードボイルド、実は人情派という神宮寺のキャラクターが生まれるのはやはりこの作品の影響が強いのではないでしょうか。

　画面の描き込みの見事さは前作以上で、ファミコンのカートリッジでは他の追随を許さないかと思いますが、ゲームとしてはコマンド総当り的な印象が強く、推理ゲームとして今の場面で取るべき行動を考えて選ぶというよりもひたすら移動と行動を繰り返して展開するストーリーを楽しむというものになっています。このあたりも後のシリーズに引き継がれているので、ゲーム性では前作に比べてどうしても劣る印象が拭えません。途中で捜査ルートが三つに分かれる場面でボタンを見つけるのが少しだけ大変かもしれませんが、その他にはあまり悩む場面は少ないかと思います。事件の導入でもクライマックスでも気の毒な日之出さんですが、基本的に連れて行かないでも捜査が進むのが更に気の毒ですね。
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