同級生2(エルフ)

nanpa
(c)ELF

発売:エルフ(1995) 機種:PC−DOS ジャンル:アドベンチャー
評価:★★★★★
 アダルトゲームでありながらも、後の恋愛ゲームのパイオニアとなった怪作同級生の続編にして、あくまでもナンパゲームとして作られていた前作に比べてはっきりとシナリオを重視した恋愛ゲームとして完成された作品です。舞台は前作の数年後、八十八学園きっての問題児として知られる主人公「りゅうのすけ」が高校生活最後の冬休みを過ごしていく中での、同居人や友人たちとのお話です。この手のアダルトゲームとしては驚くほどシナリオに配慮した面を窺わせており、主人公が前作同様に破天荒な存在であるものの正義感が強く魅力をうかがわせる性格になっているのもその一例。通常、性行為が目的となるアダルトゲームにおいて主人公がそれを目的とした思考をしないというのはかなり斬新だったと思います(全く逆の例がシルキーズの「野々村病院の人々」ですね)。
 また、ヒロインとなるそれぞれの女性ごとにシナリオを用意している点も前作同様ですが、主人公と彼女たちの関係だけではなく、彼女たち同士や他の男性キャラクターとの関係を描こうとしている点も魅力。特に主人公の同級生たちにはそうした関係が描きやすいこともあってか、居候先で同居している妹のような存在の唯、隣人の友美、友人のいずみといった女性たちのほかにも、親友の柔道男あきらといった男性キャラまでそれぞれのシナリオに組み込んだ描写がされています。主人公の存在とは別のところで友人関係やコンプレックスが存在するので、例えばいずみとの関係が友人である友美に影響するなど、互いの関連が面白いところでしょう。そのため前作を引き継いだナンパゲームとしてのシステムを踏襲している一方、基本的にヒロインの同時攻略が極めて難しくなっていて、アダルトシーンよりもヒロインたちのシナリオ攻略そのものを目的とした側面を強く感じさせます。基本的に主人公が選んだ女性を中心として物語が語られていくようになっているつくりは脱帽ものかと。

 冬休みの八十八町を舞台にして、町中を歩き回ってはシナリオを進めていくというシステムは前作と同様。移動方法や時間の経過など、細かい操作が親切になるようにシステム改変されていますが難易度自体はかなり高くなっており、わずか二週間の間に個別のスケジュールで発生している事件に出会ったり解決していかなければなりません。前段のプロローグで主要キャラクターの説明や居場所が紹介されるので彼女たちに出会うことは難しくありませんが、お話の進め方によっては会うこともできないどころか存在すら知ることができないようなヒロインも存在します。もちろん彼女たちのシナリオもそれぞれしっかりと描かれていて、一番人気となったメインヒロインの唯に続いて、ファンの人気を博したのが通常は登場しない病身の桜子というのがそれを証明しているでしょう。ちなみにこの二人、後の恋愛ゲームにおける妹的なヒロインと悲劇的なヒロインのそれぞれのスタンダートとなったとも言われています。
 難点を上げればこうした個性的に描かれている女性たちに比べると、登場する男性キャラクターたちがやはり記号的になってしまっているのは惜しいところでしょうか。このあたりアダルトゲームにおける主人公以外の男性はすべからくお邪魔キャラクターであるという風潮のためだとは思いますが、特にライバル役っぽい西御寺がかなり微妙な存在になっている点は気の毒に感じました。他にもシナリオとして攻略はせずとも女性たちが抱えている事件をある程度解決することができるようになっているのも、改善点として丁寧に作られていると思います。前作同様に原画集が売り出されたり、家庭用ゲーム機への移植が実現されたり、アダルトゲーム原作としては初めて地上波テレビでOVAが放映された作品でもあります。放送が深夜帯で、性描写をカットした再編集版とはいえそれができたということ自体にこの作品の姿勢が見えるのではないでしょうか。

 とりあえず好きなキャラクターについては言うまでもありませんね。
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