新鬼ケ島前編・後編(任天堂)
(c)Nintendo
発売:任天堂(1987) 機種:ファミコンディスクシステム ジャンル:アドベンチャー
評価:★★★★★
当事、ファミリーコンピュータではどうしても少なかったアドベンチャーゲームですが、ディスクシステムが発売されて記録容量に余裕ができたこともあって作られるようになった幾つかの作品の中でも、さすが任天堂と思わせる逸品です。お話は日本のいろいろな昔話のパロディで、星に祈りをささげたおじいさんとおばあさんが授かった、男の子と女の子が成長してやがて竜を討伐するために鬼ケ島へと向かいます。
パロディといいつつお話を一本にまとめて、しかもそれを知っていても知らなくても楽しめるように作られているのは見事。浦島太郎と乙姫さまが犬猿雉を連れて鬼ケ島に竜退治に行くという内容で、それでいて何も考えずにもとのお話を妙に意識してしまうとうっかり落とし穴にはまってゲームオーバーになってしまう展開の妙がたまりません。縦書きのテキストも見やすくなるように気を使っていて、操作性もよく楽しめます。
基本はコマンド選択式のアドベンチャーゲームで、難易度はかなり低くこの手のゲームに慣れている人であればあっという間にクリアできてしまうので物足りなく感じてしまうかもしれません。序盤で硫黄玉を見つけるのと鬼ケ島に行く前に宮水をもらっておくところが少し難しいですが、基本的に謎解きが不条理ではなく必然性があるので、この場面をクリアするにはこうしたら良いだろうな、というのをきちんと考えればたいていは何とかなるでしょう。一方で容赦なくゲームオーバーになる場面が多いので、ゲームとしての緊張感が見事に押さえられているのは流石です。
男の子主人公は前編の方がいいですよね。
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