RPGツクール3(エンターブレイン)
(c)ENTERBRAIN
発売:エンターブレイン(1997) 機種:プレイステーション ジャンル:コンストラクションツール
評価:★★★★☆
かのDANTEシリーズから続いている、アスキーのRPGコンストラクションシリーズのプレイステーション版です。いわゆるドラゴンクエスト風味のロールプレイングゲームを好きなように作れる、という好きな人にはたまらない作品ですが、操作が簡単とはいえ数十時間はかけないととても完成しませんから、お手軽といえるかどうかは微妙かもしれません。
作成するデータが登場人物やモンスター、呪文やアイテムに地図といったシステムデータの設定と、イベントとフラグを配置するシナリオデータの設定との二つに体系化されている構成が分かりやすく、慣れればかなり凝ったゲームを作ることができると思います。魔法やモンスターの種類など、基本的に使われそうな要素はきっちり抑えてありますし、イベントの引継ぎとスイッチの活用によってデモ画面はもちろん、特殊な移動や戦闘への応用もできますので「こんなこともできるんだ」ということが作る人の工夫次第でけっこう実現できるのでした。
家庭用ゲーム機の欠点として、プレイステーションのメモリカードに保存できる最大容量にどうしても制限があるのでオリジナルの画像や音楽の利用が難しかったり、パッド入力のためにメッセージの作成がめんどうだったりする欠点はありますが、そういう人は最初からPC版をやった方がいいのではないでしょうか。当初から用意されているグラフィックや音楽を利用して、限られた題材や制限の中で表現力を駆使するのであればかえってこちらの方が自由なゲームを作れるのではないかと思います。ツールの機能に頼る人がツールに依らない個性を発揮できるものではありませんし、例えば好きな画像が使えるシステムであっても、他に替えられない画像の使い方ができる人がさてどれだけいるというのでしょうか。
表現力とは作品の大小には関係ないのですから。
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