サクラ大戦2〜君、死にたもうことなかれ〜(セガ)

sakurataisen2
(c)SEGA

発売:セガ(1998) 機種:セガサターン ジャンル:アドベンチャー
評価:★★★★★
 豪華絢爛な莫迦ゲーム、サクラ大戦のシリーズ第二弾にしてセガサターンの性能を極限まで引き出したという点では、これとトレジャーのレイディアントシルバーガンが双璧ではないかと思わせる作品です。時は「太正」時代、前作での戦いを終えてから一年間の航海に出ていた大神さんが再び隊長として大帝国劇場に帰ってくると、新メンバーを加えた花組と騒動を演じながらも新しい敵「黒鬼会」と戦います。

 おそらく、誰もがまず圧倒されるのがオープニングのアニメーション。これまでもサターンでは「魔法騎士レイアース」のようにアニメーションを使う演出がありましたが、CGとアニメを駆使した本作品のオープニングはそのまま当時のTVやOVAの質すら凌駕すると思わせるほどの出来映え。ゲームの基本構成は前作同様に一話完結仕立てでアドベンチャーパートと戦闘パートを組み合わせたものになっていますが、細かい不満点が改善されて遊びやすくなっているだけではなく新しい要素を加えているのがポイントです。
 アドベンチャーパートではLIPSが大幅にパワーアップされて制限時間内での連続行動が行えるようになっていたり、選択結果についても単純に隊員たちの好感を得るだけではなく大神さん自身の性格も微妙に変化するようになっています。戦闘パートはあいかわらず難易度が低いとはいえ、前作よりも考えられた戦闘や演出が多いために飽きにくく、風林火山の作戦追加などによってより自分の好きな方法で戦える点は好感が持てます。

 また前作であまりに問題のあった後半ストーリーを反省したのか、今回サブタイトルにある「君、死にたもうことなかれ」をテーマしたシナリオもよくできていて、帝都や軍部が混迷する中で帝国華撃団・花組として戦う女性たちの姿や、前作から続く人々の過去や背景まで語られる構成にはもう一度サクラ大戦を作り直して今度こそ完成させましたという印象すら与えます。定番のワルモノで揃えられている悪役たちも魅力的ですが、人をゴミ扱いする火車さんと計算どおりを連呼する木喰さんは基本かと。
 サクラ大戦らしい楽しさはそのままに、セガお得意の充実したミニゲームといったお遊びや、ひと目見れば開いた口がふさがらなくなる巨大戦艦の出撃シーンなど莫迦らしさも満載で、文句なしにおすすめしたい名作です。

 あとはわりとどうでもいい話題ですがテキ屋役で登場していた千葉助こと千葉繁、この人が登場している回の次回予告で「次回サクラ大戦ツゥー」という語りが無かったことだけは残念ですね。
>他の記事を見る