シャイニング・フォースII 古えの封印(セガ)

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(c)SEGA

発売:セガ(1993) 機種:メガドライブ ジャンル:ロールプレイング
評価:★★★★★
 メガドライブの名作シリーズ、シャイニング・フォースの続編です。シャイニング・アンド・ザ・ダクネスから続く十字キー割り当てによる簡潔な操作性と、いわゆる戦術シミュレーションタイプのゲームとしては驚くほど敵の思考が早いこともあってとにかく爽快な楽しさが魅力の作品。フィールドを移動して会話を行い、戦闘では各ユニットを移動させて攻撃時すると互いのユニットが向き合う戦闘シーンが流れます。
 前作からはるか北にあるらしい王国グランシールが舞台で、スケイブン族というネズミ人の盗賊ジッポがとある遺跡で古えの封印を解き放ってしまい、魔王とその軍勢が復活してしまうというものです。グランシールは崩壊し、賢者アストラルに連れられた人々は脱出すると剣士志願の少年ボウイをリーダーにした光の軍勢、シャイニング・フォースが悪魔軍へと挑みます。

 前作同様にエルフやドワーフ、ケンタウロスといった個性的なユニットを率いて地形や隊列を活かしながら敵を倒していきますが、経験値によるレベルアップもあるので全体的に難易度はあまり高くありません。そのため使えるユニットを選んでひたすら強くしていくだけではなく、好きなユニットを選んで戦い抜くことが充分に可能なのが魅力です。
 バランスの取れた主人公に、平地での機動力と戦闘力に勝るケンタウロスの騎士、頑丈だけど体力には欠けるドワーフの戦士や、防御を無視して集団攻撃ができるエルフの魔法使いなど、例外はありますが種族により職業が決まっている点が独特の世界観を感じさせてくれるでしょう。特に半人半馬のケンタウロスの騎士は、このシリーズを代表する存在となっています。フェニキィのピーターやミドリガメのキウイといった本作独自の種族も登場しますが、前作にあったスチームパンク系のユニットがなくなっているのは個人的には残念なところでしょうか。戦闘マップや敵の仕掛けでも前作の一本橋のようなマップこそありませんが、イカダの上で戦うクラーケン戦や無限射程のプリズムフラワー、連鎖爆発が怖いバーストロックといった面白い趣向の戦闘も用意されています。

 前述した十字キー割り当てによって装備や魔法を使用するため、各ユニットごとに使える武器や魔法の種類に大きな制限がある一方で、そのために各ユニットが万能になりすぎることを防いでいます。一方で特に一部の魔法使い(というかカズン)や僧侶(というかサラ)のように、使える呪文がいまいち弱いために特殊職業への転職をさせないとかなり弱くなってしまうキャラクターがいるのはご愛嬌かと。
 基本システムは前作を踏襲しつつ、専用アイテムを使った特殊職業への転職や、ミスリル銀を使った武器作成、前作とは体系の異なるソーサラー魔法など工夫が見られながら複雑になっていない操作性は見事です。戦闘シーンのアニメーションまで本人が作成したというSUEZEN先生デザインのキャラクターに、爽快すぎる音楽と合わせて戦術シミュレーションとは思えないほどテンポが良い作品になっています。あえて希望をいうなら、難易度変更モードをクリア後だけではなく最初から選択できるようにしても良かったかもしれません。

 生国グランシールが崩壊、逃げ出した人々とともに旅立つシナリオの展開は個人的にけっこう好きですが、囚われのお姫様であるエリス姫がものすごく影が薄くなってしまっているのは気の毒ですが仕方のないところですね。前作の戦うお姫様アンリと比べると、やはりこの手のゲームでは一緒に旅をしている仲間に思い入れが大きくなるのは仕方のないところですね。

 個人的に好みのキャラクターはケンタウロスのレンジャーマチルダさんです。
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