タイムトンネル(ボンドソフト)
(c)BOND SOFT
発売:ボンドソフト(1984) 機種:PC88 ジャンル:アドベンチャー
評価:★★★★☆
シャープの名機MZ−700で発売された、ネコジャラ氏製作「タイムシークレット」の続編に当たる作品で、後にPC−8801やX1にも移植されたSFアドベンチャーゲームの傑作です。西暦2552年。ダナーク人に攻められた地球連邦で主人公はこれに対抗する武器を手に入れますが、乗り込んだ宇宙船が隕石に衝突するとかろうじて惑星ベガサイドの宇宙ステーションにたどりつきます。せっかくの武器も持ち物も失ってしまった主人公は地球連邦を守るために、惑星ベガサイドに向かいます。
当時、ゲーム機の性能や容量に制限があった時代らしく画面数や登録単語数が売りとなっていますが、ボリュームの大きさにふさわしい多彩な展開が魅力。タイトルにあるタイムトンネルをくぐって十八世紀のウィーンや十六世紀のグランドキャニオン、一世紀のエルサレムに十世紀の平安京、沈む直前のタイタニック号や二十世紀のシリコンバレーとあちこちの時代を縦横に行き交います。それぞれの時代で関連する手がかりを見つけるマルチプレイ的な展開に、簡易なものとはいえ戦闘モードや会話モードが用意されていたり、四種類存在するマルチエンディングまでマイナーにも関わらず国産テキストアドベンチャーのトップクラスに推される驚嘆の作品です。
アドベンチャーゲームならではのパズル的な謎解きと、めまぐるしい展開や思わぬ敵の正体に驚かされる、楽しみの双方が味わえる定番にして絶品の作品。余談ですがこのゲーム、コピープロテクトがかけられていて不正コピーしたディスクで遊ぼうとしたら長官の部屋の前にいる警備ロボットに殺されてしまいました!
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