ヴァーチャルハイドライド（セガ／セガサターン）

vhydlide
(c)SEGA/T&E SOFT

発売：セガ(1995)　機種：セガサターン　ジャンル：アクションロールプレイング
評価：★★★☆☆
　セガサターン初期に発売されたアクティブロールプレイングゲームの奇作です。舞台はフェアリーランド、悪魔バラリスにさらわれた王女アンを助けるという名作ハイドライド１をもとにした作品ですが、ゲームを３Ｄ表示にして主人公のジムは実写取り込み、背景やモンスターをＣＧで作成した意欲作。
　ゲーム開始時にマップが自動生成されると、自分以外にはモンスターと宝箱しか存在しない、どんよりとした不気味なフェアリーランドを歩きまわります。ウォーハンマーの一撃で飛び散るゾンビの姿や館にひそむ吸血鬼、巨大な三つ首のマッドドラゴンなど、種類は決して多くありませんが独特に印象的なモンスターが登場。戦闘は武器と盾をふりまわす単純なものですが、ドラゴンの火を盾ではじいてからばしばし切りつけるといった乱暴な戦い方がなかなか楽しい泥臭さを感じさせてくれます。

　決してつまらない作品とはいいませんが、自動生成マップがあるとはいえ遊ぶごとに異なる展開が期待できるというほどのものではなく、一方で毎回地図が変わるためにてきぱきとした攻略ができなくなるので正直かったるさを感じるのが欠点です。クリアタイムが記録されるならマップも敵も配置を固定にした方が、効率のいいクリアを競う楽しみもあったのではないでしょうか。他には３Ｄゲームならではの、視界の影や背後からモンスターに襲われる恐怖がいまいち少ないのも残念なところです。かのバイオハザードが発売される一年前とはいえ、アクションの楽しさでも奥深さでもどこか中途半端な作品。
　とはいえ巷では評価が低い作品となっていますが、個人的には最もハイドライドらしい単純さを踏襲しているゲームでもありますのでシリーズのファンであれば一度は触れて欲しい作品です。こん棒やウォーハンマーでゾンビを殴り倒す楽しさだけは他に類を見ないのでおすすめ。
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