夢見館の物語(セガ)

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(c)SEGA

発売:セガ(1993) 機種:メガCD ジャンル:アドベンチャー
評価:★★★★★
 名作揃いのメガドライブのゲームの中でも当時、特に斬新ですぐれた演出によって評価が高い作品で、インタラクティブタイプのアドベンチャーゲームの走りともなった作品です。月が青白い真円を描く夜、青い蝶に惹かれて不思議な夢見館に迷い込んだ妹を追いかける少年のお話で、時が12時を刻むまでに妹を見つけだして館の外に逃げ出さなければなりません。
 油絵調の美しい画面に、子供の視線で映し出される幻想的な洋館。音の反響まで計算され尽くした演出はそれこそ青い蝶に誘われたかのような、夢見館の恐ろしい魅力を体験させてくれるでしょう。あなたは館にしばりつけられた青い蝶たちの言葉を聞いて、遠くから聞こえる妹の声を探して追いかけながらも、館の謎を解いていかなければなりません。アドベンチャーゲームとしてはいわゆる選択肢が存在せず、感覚のままに気になる場所を調べてまわるだけですが、にも関わらず謎解きの難易度も適度で意外に難しい謎も多く隠されているのはインタラクティブの名に恥じないでしょう。

 自分が小さな子供であること、時とともに不安が募ってゆく妹の声、そして自分以外には青い蝶にしか出会うことができない不思議な館と、のめり込むほどに幻想的な恐ろしさを感じる中で、あなたは無事に妹を連れて館を出ることができるでしょうか。敢えて蛇足として加えるならば、妹を見つけだした後の脱出ルート探しがゲームとしては不要だったかもしれませんが、それを置いても忘れられない魅力と怖さに満ちた作品です。画廊の絵画や地下室の人形に感じる根拠のない恐ろしさと、それが現実になったときの衝撃を一度は体験してもらいたいものです。

 時が12時を刻む、そのときまでに。
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