3Dゴルフシミュレーション(T&Eソフト)
(c)T&E SOFT
発売:T&Eソフト(1983) 媒体:TAPE ジャンル:スポーツ
評価:★★☆☆☆
ハイドライドやスターアーサー伝説で有名なT&Eソフトですが、技術力の高さはさすがといったところでパソコンゲームのかなり初期に開発されていた3D描画によるゴルフシミュレーションゲームのMSXへの移植作品です。コースやボールの位置、向きまでを計算して画面が描画され、ショットを打つとボールの軌跡が表示される演出が当時としては見事というほかありません。今でこそポリゴンその他で当たり前に表現されている処理ですが、ゴルフゲームそのものすらあまり見られなかった時期にこれだけの作品を生み出しているのは脱帽ものです。
とはいえ、MSXの性能云々という以前に描画がすべてLINEやPAINT命令で描かれているためにとにかく処理速度が遅く、一打打つごとにはもちろん、ショットの向きを変えるだけでも画面が描き直されるので1ホールをクリアするにもものすごい時間がかかってしまいます。ゴルフゲームとしての出来はごく普通という以上のものでもなく、当事はゲームそのものの処理や読み込みの遅さが今ほど気にならなかったとはいえやはり厳しいものがあるでしょう。
それでもある意味じっくり時間をかけてできることだけは間違いがありませんし、当時はかなりの人気と評価を得た作品でもあります。ゲームとしては決して高い評価はできませんが、ゴルフシミュレータとしては風や角度など様々な計算が行われており、随所にT&Eの力を見せつけてくれるでしょう。
>他の記事を見る