アニマルランド殺人事件(エニックス)

animalland
(c)ENIX

発売:エニックス(1987) 媒体:ROM ジャンル:アドベンチャー
評価:★★★★☆
 ここは平和なアニマルランド。宝石店を営むゴン吉が何者かに射殺された事件を解決すべく、助手のおいどんを連れたあなたは捜査に乗り出します。現場に残されていた遺留品は「又」と書かれた謎のメモ書きと、関係者の誰も持っていない謎の金髪だけ。そして解き明かされる事件は衝撃的な結末をともなっていました。
 ゲームはかわいらしい画像とコマンド選択が初心者にもやさしい推理型アドベンチャー。同社のポートピア連続殺人事件や軽井沢誘拐案内を思わせるけっこう本格的なものとなっています。MSX1でしか発売されず、当時でもあまり話題にならずに埋もれてしまったゲームなのですが、全コマンドを無駄打ちする必要のないしっかりしたつくりと、エンディングの印象強さが今でも語られている作品です。

 登場人物はほとんどすべてが動物たちで、この手の捜査系ゲームで苦労のタネになる名前を覚えるめんどうくささが軽減されているのがポイント。ゴン吉の二人の息子であるコンタやココン、ペルシャ猫のペルー、うさぎのピョンコやパンダのリンリンなど覚えなくても誰か分かる名前が意外と助かります。助手のおいどんに聞けばいちいち操作や人物の説明もしてくれるので、メモを取りながらゲームをする必要がありません。終盤の山場となる「まよいの森」でも、いくつか難儀な謎解きがありますが森の迷路自体が行ったり来たりせずにすむように作ってあったりと全編を通した親切さに好感がもてる良作です。
 あまりに衝撃的なエンディングは地球戦士ライーザにも勝るエニックス随一のものですが、個人的にはエンディングにいたるまでの「違和感」を作品中でもっと感じさせてくれたら文句のない作品になっていたかと思います。このゲームこそ当時のファミコンで出していれば、ポートピア以上の話題作になっていたと思うんですが・・・。
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