ザ・ブラックオニキス（アスキー）

blackonix
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発売：アスキー(1985)　媒体：ＲＯＭ　ジャンル：ロールプレイング
評価：★★★☆☆
　国産初の本格ロールプレイングゲームと呼ばれている、Ｂ．Ｐ．Ｓ．の有名シリーズの第一作をアスキーが移植した作品です。ちなみに有名シリーズとありますが、第２作のザ・ブラックオニキス２（オリジナル版ではザ・ファイアークリスタル）までしか発売がされておらず、第３作ムーンストーンや第４作のアリーナはオリジナルのＰＣ版でも未発表のままなのも好きな人には有名なお話です。
　ウツロの町を訪れた５人の冒険者が、ブラックタワーの頂上にある神秘の宝石、ブラックオニキスを求めて探索を行うゲームですが、基本的には迷路を歩き回って戦うだけで魔法その他の特殊なコマンドもありませんし、実際には単なる迷路＋戦闘による経験値稼ぎゲームとなっています。それでも冒険者一人ごとにデータセーブが可能で、ウイザードリィのようにメンバー編成ができるようになっていたり、装備した武器防具によって自分たちの姿が変わる演出など随所に工夫されているのがポイント。ＭＳＸ版ではオリジナル版に比べて両手持ち武器の画像や敵モンスターが集団で出た場合の複数同時表示などで見栄えに劣りますが、ゲームそのものの出来には問題はないかと思います。また、当時ゴブリンやコボルド、オーガといった西欧系のモンスターを有名にした立役者のひとつでもあり、ブラックタワーに至るイロイッカイズツの謎や廃墟に出るＤＯ　ＮＯＴ　ＥＮＴＥＲ！の警告、井戸の底に潜む怪物クラーケンに有名なカラー迷路など、単調に見えて不思議なほどに不気味なウツロの町をさまよう楽しさがおすすめできる作品。当時としてはなかなか格好よいマニュアルもいい感じです。

　ちなみに裏技というほどではありませんが、意外と重要なテクニックとして経験値とお金を稼ぎたいと思った場合は各階にあるブラックタワーの壁の前に立って上や下を押し続けていると、固定遭遇ではないのに現れる敵がお金を落としてくれます。手っ取り早く装備を充実させてクラーケンを倒せるようになったら、このゲームの本当の楽しさでもあるカラー迷路の恐怖を味わってください。
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