スターアーサー伝説惑星メフィウス(T&Eソフト)

mephius
(c)T&E SOFT

発売:T&Eソフト(1985) 媒体:TAPE ジャンル:アドベンチャー
評価:★★☆☆☆
 T&Eソフトの名作SFアドベンチャーゲームシリーズであるスターアーサー伝説、ですが残念なことに名作といえる続編の暗黒星雲やテラ4001はMSXでは出ておらず、第一作だけの移植作となります。主人公であるスターアーサー・ミルバックが強大なジャミル帝国を倒すために、伝説の剣レイソードが眠る惑星メフィウスを訪れたところから物語は始まります。税関でいきなり囚われてしまいますが、牢を抜け出したスターアーサーはスラムからシティを経て砂漠地帯にあるピラミッドへと、レイソードを探して様々な危険を潜り抜けていきます。
 コマンド入力方法がやや変わったシステムになっていて、カーソルキーで場面を移動、ファンクションキーでコマンドを選択して「キク」コマンドであれば内容を入力したり、「シラベル」などのコマンドであればポインターが出るので場所を指定したりしなければなりません。このため、ノーヒントの状態で画面上の情報から謎を解かなければならない場面が多く、難易度はけっこう高めとなっています。

 移植作であるMSX版はオリジナルに比べると画面がかなり粗くなっているだけではなく、随所に削られた場面があったり一部の謎解きが変更されているのは残念なところで、特に惑星メフィウスの象徴となっている砂漠地帯はオリジナル版では22×22のマップがMSXでは10×10と大幅に狭くなっています。この広大な砂漠の中でアナライザーの反応だけを頼りに、ポインターを使って暗号コードや文字盤を探していくという気の遠くなる作業が本作の最大の売り。解き方さえ知っていればあっという間にクリアできてしまう程度のボリュームしかないのが難点ですが、自力で謎に挑んでいけば決してレイソードへの道のりは近いものではないでしょう。
 ポイントは税関の最初の質問で誤った回答をするとクリアできなくなること、スラムを抜ける方法が二つあること、砂漠地帯では怪獣のいる場所で迂闊な行動をするとすぐに殺されてしまうこと、でしょうか。たいした演出ではありませんが、口パクのアニメーションがあったり自分が撃たれたり剣で刺されるときのグラフィックが出るのは当時としてはかなり斬新でした。お遊び的な会話や隠し要素があるのもT&Eらしさを感じさせる作品ですが、MSX版ではそれも一部削られているのは痛いですね。

 ちなみにレイソードは反物質で構成されている剣なんですが、それでもいいんでしょうか。
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