日曜日に宇宙人が…?(ソフトスタジオWING)

nichiyoubi
(c)SOFT STADIO WING

発売:ソフトスタジオWING(1986) 媒体:TAPE ジャンル:アドベンチャー
評価:★★★☆☆
 火浦功原作の小説、「日曜日は宇宙人とお茶を」をもとに制作したという、不条理アドベンチャーゲームです。ネコマタジャーナルという雑誌の記者であるヤマシタとカメラマンのサトルが、ネコガオカに住むマッドサイエンティストのミノリを尋ねて、20年前のネコガオカへ行って特ダネ記事を書こうというのがことの導入。なんですが、次元を旅して超能力者になったサトルが宇宙に飛んでいってアンドロメダの宇宙人が侵略に来たりと破天荒を通り過ぎたむちゃくちゃな展開が売りという内容になっています。
 ゲームは数字によるコマンド選択式と、コマンド直接入力式を併用しているというめずらしいタイプで、例えば会話するときに何を話すかとか、超能力で何を曲げるかとか、多少工夫して入力しなければいけません。展開が徹底的に不条理な一方で、不条理なコマンドはほとんど要求されないので難易度も適度で楽しみやすくなっています。スタジオWINGならではの美麗な画面に加えて、白と黒の伝説に比べて格段に描画速度を上げているのもよい感じかと。
 難をあげればテープ版で容量に限りがあるためか、場面の移動が少なくそのためにコマンド総当たり的な入力が必要になってゲームのテンポが落ちてしまうところでしょうか。とはいえ考えなしのコマンド入力をさせないために容赦なくゲームオーバーが用意されていたり、一方でリトライがしやすくなっているなど、細かいところまで気を使っている作品です。宇宙人の変身シーンや、ミノリさんのバクダン投げなどMSXのTAPEゲームでアニメーションを行っているのも見事。

 記憶では弥勒菩薩に会ったのは白と黒の伝説かと思っていたら、このゲームでした・・・。
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