黄金の墓(マジカルズゥ)

ougon
(c)Masical ZOO

発売:マジカルズゥ(1984) 媒体:TAPE ジャンル:アドベンチャー
評価:★★★☆☆
 奇作というか独特なゲームを出すマジカルズゥが、シナリオコンテスト優秀作品として出したアドベンチャーゲーム、黄金の墓のディスク版をもとに内容を大幅に改変したのがこのテープ版の黄金の墓となります。とある平凡な夜の町で、とつぜん現れた不気味な占い師に出会うところから物語は始まります。今夜はお前にとって生死を決める夜となるだろう、と告げられたあなたは一本の剣を手に入れ、家に帰ると窓に投げ込まれた手紙にあるクフ王の秘宝の話を読んで一路、エジプトへと旅立ちます。スフィンクスにオロチや盗賊団といった、数々の障害を潜り抜けて謎の女性ネイトや冒険家のロイドと出会い、秘宝の謎を追うのでした。

 ゲームは映画風に仕立てられた冒険活劇ものとなっており、画面の左右を流れるフィルムやカットの音など、独特の演出の妙が魅力。エジプト風の砂漠の世界を冒険する雰囲気も楽しい作品ですが、シナリオはさすがに強引で無理を感じてしまうのは仕方のないところでしょうか。遊びのつもりでしょうが、エジプトに発つ際の「だってそのためにこのゲームをかったのだから・・・」は当時のセンスとはいえちょっと行きすぎに思えてしまいます。
 システムは基本的なコマンド入力式で、難しい単語もありませんがコマンド入力するごとに持っている水やパワーが失われていくために、一種の時間制限となって緊張感と難易度を確保しているのは面白い工夫だと思います。オロチ戦と盗賊戦で使うコマンドが「×××で××××」という特殊入力になる点だけは頂けませんが、それ以外はわりと解きやすく最後まで進めることができるのではないでしょうか。会話にハートマークをつけて話すネイトさんや、巷でサギヒメ語として知られる「アッー」を使う占い師の女も悪くありませんが、やはり誰もが忘れられないのはロイドとの出会いでしょう。

 おろちがいる、きみにたおせるか?は名言だと思います。
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