テグザー(ゲームアーツ)
(c)GAME ARTS
発売:ゲームアーツ(1986) 媒体:ROM ジャンル:シューティング
評価:★★★★★
八方向に高速スクロールする美しい画面とBGM、高いゲーム性に圧倒される、当時の8ビット機を代表する名作アクションシューティングゲームです。MSXへの移植はコンパイルが手掛けていて、オリジナル版のPC88版に比べるとステージ数こそ減っていますがゲーム性では劣らない完成度の高さが魅力。ちなみにファミリーコンピュータにも移植されていますがこちらはあまりに出来がひどいのはご愛敬です。
ゲームの目的は可変ロボットであるハイパーデュアルアーマー・テグザーを操縦して、小惑星ネディアムの奥深くに突入し磁力線発生装置を破壊するというもの。テグザーは飛行形態時には正面に直進するレーザーを、ロボット形態時には前方180度に拡散する自動追尾レーザーを発射することが可能で、更に一定時間無敵となるシールドを張ることができるので敵や障害物をこれらのレーザーやシールドで破壊しながら先に進みます。敵に接触したときにはもちろん、レーザーやシールドを使用することでもエネルギーを消耗してゼロになるとテグザーが破壊されてゲームオーバーになります。エネルギーは特定の敵を倒したときと、各レベルをクリアしたときに回復するので効率よい攻略ルートを探していかなければなりません。
飛行形態は重力の影響を受けずに狭い通路を移動できることとレーザーを前方に集中できること、ロボット形態は床上に停止ができることとレーザーが敵を追尾してくれることがそれぞれ利点になっています。敵と状況に合わせてそれぞれの形態を使い分けなければ攻略は難しく、最初は各レベルをクリアできるルートを、次にシールドの損耗を抑えて効率よく回復させていくルートを、更に設置された敵をすべて破壊して高得点を稼ぐためのルートを探していく楽しさがたまりません。某宇宙戦艦やミンメイ人形といった、エネルギーの最大値を上昇させる隠れキャラがあちこちに設置されているのでこれらを探していくのが基本ですが、シールドを使用せずにクリアすると大幅にエネルギー上限が上がるので慣れればシールド無しの攻略を目指していくことになるでしょう。
攻略のポイントはレーザーの攻撃力の低さと障害物が破壊されるまで敵も通過できないこと、そして耐久力があって移動する敵に対してテグザーは恐ろしく不利な性能をしているということ。シールドによる強行突破は両刃の剣になるので慎重にレーザーで敵を撃破していくことになりますが、時間をかけすぎると誘導ミサイルが大量に発生して襲いかかってくるため手間取ると手遅れになりかねません(基本的に誘導ミサイル群から逃げ切れる性能はテグザーにはないのです!)。最初は右に左にうろうろしながら敵に囲まれていたテグザーが、突破口を見つけると軽快に敵を撃破しながら各ステージを突破していくようになります。攻略ルートはほぼ完全にパターン化することができるので、慣れれば誘導ミサイルの海を一気にすり抜けることすら可能でしょう。
MSX版は全10面をクリアすると1面に戻ってあとは無限にループしますが、周回できるようになればあとはひたすら続けることができると思います。難易度はそれほど高くありませんが決して低いわけでもなく、何度も撃墜されながら自分なりのルートを見つけてしかもそれをより完璧なものに近付けていく攻略性がたまりません。個人的には周回した時点で敵の撃破数、スコア、経過時間を表示してくれたら完璧な作品になっていたと思います。
ちなみにテグザーの名前がテセウスとエグゾアIIウォーロイド、そしてグロブダーの三作品からとったものであることは最近まで知りませんでした。
>他の記事を見る