ウイングマン(エニックス)

wingman wingman
(c)ENIX

発売:エニックス(1985) 媒体:TAPE ジャンル:アドベンチャー
評価:★★★☆☆
 桂正和原作のコミックを題材にしたアドベンチャーゲームですが、シナリオはオリジナルのものとなっています。主人公である広野健太が異次元人のアオイさんと、なくしてしまったドリムノートを探して学校内を歩きまわるという内容で、原作でもおなじみのメンバーに色々な話を聞いてまわります。
 コマンド入力式のアドベンチャーゲームでありながら、よく使うコマンドをファンクションキーに登録してあるだけでなく、画面内にあるものを矢印で指して名前を知ることができる親切設計が魅力。意味のないコマンドを入力した場合でも、単純に「できません」と返すのではなく同行しているアオイさんたちが可能な限りリアクションを返してくれる、言葉探しの退屈さを軽減しようというシステム面での努力は賞讃に値するかと思います。

 MSXの性能を思えば、原作漫画のファンが怒るのではないかというほどの雑な画像はある意味すごいですが描画速度自体は速くてストレスを感じさせません。といいたいところですが、テープ二本組の両面でABCD面と分かれている作品で、校舎内がC面D面の二つのエリアに分けられているためにエリア間の移動のたびに、テープロードが必要となってしまうのが欠点。更にこのエリア移動を行うときには突然怪人キータクラーが登場して、強制的にアクションゲームに突入するために当初こそ楽しいもののすぐにうっとうしくなること請け合いでしょう。アクションゲーム自体は単純なもののけっこうよくできていて、ヒーローものらしく戦うことができます。
 なくしていたドリムノートを見つけて復活させると、キータクラーとの決着戦となってポドリムスへと向かいます。アドベンチャーゲームとしては定番の謎解きが多く、全体的に難しいところはありませんがその分不条理に感じてしまうのは、原作のある作品としては厳しいところでしょうか。例えば保健室でマクラを**する行為はこの手のゲームでは当然でも、広野健太が行うにはあまりに脈絡がありません。最後にポドリムスで牢屋を破るコマンドも、コマンド自体は難しい単語でもなく「この手のゲームとしては」常軌を逸して理不尽でもないのであくまで言葉探しタイプのアドベンチャーゲームが好きだという人におすすめでしょうか。攻略の基本として、とにかく出会う人には脈絡なくお世辞を言うようにしてください。

 テープ入れ替え時のアクションゲームはキータクラー戦ではなく雑魚戦が入ってれば良かったのにと思います。
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