CAL(バーディーソフト)
(c)BIRDY SOFT
発売:バーディーソフト(1991) 媒体:FD ジャンル:アドベンチャー
評価:★★☆☆☆
いわゆるエロゲーと呼ばれる類の、18禁ゲームです。同じ学園に通っている、図書委員の結城美加さんに片思いをしている主人公は勇気がなく思いを告げることができずにいました。主人公がたまたま唱えた呪文によって愛と美の女神ヴィーナスが呼び出されると、主人公は彼女の不思議な世界である「CAL」に導かれて、そこで女性とのつきあいかたを学ぶことになります。
と、どう取り繕っても無理がありすぎる導入に続いてシンデレラや不思議の国のアリスなどが暮らしている童話の世界に行き、それぞれの女性たちに関わったり結ばれたりしていくうちに主人公が男性として成長を遂げていく・・・というお話の内容もやはりどう書いても都合がよすぎる展開なのは否定できません。しょせん18禁ゲームだからと言ってしまえばそれまでですが、ただ、これだけ極端な物語の中で随所に魅力的な場面が描かれている点は評価されてもいいかと思います。童話の中ですら都合のよい存在になっているラプンセルや人魚姫の物語、現実を重ねられたマッチ売りの少女や赤ずきんさんの物語をへて、最後に主人公は恋愛対象とならない不思議の国のアリスに出会うところまで、この手のゲームに許される範囲で主人公の成長を描こうとしている構成の妙はたいしたものかもしれません。
ゲームとしてはしごくまっとうというよりも正直単調な選択式、間違えた選択肢を選ぶとすぐにバッドエンドになってしまいますが、数箇所を除けばふつうの回答を選んでいれば問題なく進む上にゲーム自体のテンポもよく、こまめにセーブをしておけばかんたんにクリアできるでしょう。ヒロイン役の美加さんが単なる端役でしかないのが気にならなくもありませんが、これで美加さんとの18禁場面でも用意したらシナリオが崩壊するのでそれは致し方ないところでしょうか。画像がとんでもなく美しいのも、もちろんこの手のゲームとしては魅力です。
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