ガルフォース 創世の序曲(スキャップトラスト)
(c)SCAPTRUST
発売:スキャップトラスト(1987) 媒体:FD ジャンル:アドベンチャー
評価:★★☆☆☆
一時期、OVAや小説やゲームで幅広く展開されようとしたガルフォースという作品があるのですが、そのアドベンチャーゲーム版です。内容は最初のOVAまたは小説を原作としたもので、女性だけの種族であるソルノイドと不定形生物であるパラノイドが互いに争う世界の中で、スターシード計画と呼ばれる作戦に巻き込まれていく7人のソルノイド兵士たちのお話となります。
ゲームはコマンド選択式のアドベンチャー。選択を誤るとけっこう簡単にゲームオーバーになることが多い一方で、数箇所の場面を除けば全体的に理由のある謎が多いので、難易度は決して高くはありません。序盤の宇宙戦とスターリーフ号に侵入したモンスター探しでコマンドをあてずっぽうで選ぶ場面こそありますが、それ以外では減圧せずにハッチを開けたり、宇宙服を着なかったりシートベルトを忘れて死んでしまうといったわりと当たり前の注意を忘れてゲームオーバーになる箇所がほとんどですからきちんと選びながらコマンド入力をしていればすぐにクリアできるのではないかと思います。
物語の展開で気になるのは、やはり原作つきのゲームにありがちなところで全体的にストーリーや背景の説明が不親切であることでしょうか。アニメーションであれば説明より映像に替える、文章であれば背景世界まで説明する、ゲームであれば別の手法で伝えるべきことを伝える労苦が不十分なので、様々なイベントに唐突感がぬぐえません。惑星カオスに突いたときにクルーの一人であるパティが苦しみ出す理由や、まずもって女性だけの種族ソルノイドと不定形生物パラノイドの融合計画、という常軌を逸した設定を理解させないとストーリーを理解するどころではないのではないでしょうか。肝心のクライマックスからエンディングまでの演出もどうも淡白で、小説版のような世界説明もなくアニメーションのような演出と盛り上がりにも欠ける、どうにも中途半端な作品というのは正直なところです。
扱うには難しいテーマへの挑戦としては悪くはないだけに残念。
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