THEプロ野球激突ペナントレース(コナミ)

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(c)KONAMI

発売:コナミ(1988) 媒体:ROM ジャンル:スポーツ
評価:★★★★☆
 当時、ファミリーコンピューターでは任天堂のベースボールやナムコのファミリースタジアムなど名作と呼べる野球ゲームが出ていましたが、MSXではいまいちチープなものはあってもこれと呼べる作品が存在していませんでした。それがMSX2用とはいえこのシリーズが登場したことによって、ファミコンにはファミスタがあるがMSX(MSX2)には激ペナがあると豪語できるようになった作品で、後にこのシリーズは実況パワフルプロ野球へと引き継がれていくことになります。
 登場する6チームはすべて架空のチームですが、基本的にはプレイヤーが自分でチームを作成して参戦するのが主な遊び方になります。CPU操作による対戦もできるので、当時、読者が持ちよったチームを競わせる雑誌企画も開催されました。

 コナミらしい美しい画面になめらかな操作が売りで、投手であれば得意球や球速にスタミナ、野手であれば打力に走力といった能力を入力することができます。チーム全体の総合力が決められているので、控えの選手を含めてこれらを配分してより強いチームを作らなければいけません。実際にペナントレースを開催するモードもありますが、試合を続けても選手の成績や能力の変動がないのは残念といえば残念でしょうか。高低差のある投球や打球に飛び込むことができるファインプレー操作、攻撃側の打撃力が上がるラッキーセブンの存在など、演出やゲーム性まで考えたシステムも楽しいです。
 唯一の難点は画面の左右切り替えで、MSX2の性能の都合で上下の打球は画面がスクロールするにも関わらず左右の打球は画面切り替えになってしまうことで、慣れれば気にならないとはいえ操作に違和感を感じてしまうでしょう。そうした細かい点を置いても充分に名作と呼べる作品ですが、シリーズとしては続編の激突ペナントレース2で完成することになります。
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