激突ペナントレース2(コナミ)

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(c)KONAMI

発売:コナミ(1989) 媒体:ROM ジャンル:スポーツ
評価:★★★★★
 通称激ペナシリーズの続編で、前作の問題点を解消してよりシンプルに遊びやすく完成された作品です。オリジナルの球団が全6チーム登録されていて、自作チームを参戦させて楽しめる内容には前作と大きな違いはありませんが、まず思い切った変更がされているのは画面表示の細かさを犠牲にしても全方向スクロールを実現して、左右の打球も画面を切り替えずにボールを追うことができるようになった点。画面が粗いといってもあくまで前作に比べてというレベルで、画像よりもゲーム性を重視していることにむしろ好感が持てるでしょう。
 この点に限らず、全体的にゲーム性の向上と操作性の改善を追求している様子が見られ、例えば前作ほどの投球の高低差をなくしながらもシンカー系のボールやアッパースイングを残すことでよりシンプルに遊べるようにしたり、一試合あたりの時間が短縮されてテンポよく進めることができるようになっています。前作のエディットデータをコンバートできるようになっているのも好印象。

 こうしたゲーム性に加えて圧巻なのが演出面で、前作同様に打球に飛びついてボールを捕ることができるファインプレーの存在、得点圏にランナーが出ると流れるグラディウスの応援歌や、強打者の登場に合わせて流れるランディ・バースの応援歌、イニング交代時やラッキーセブンの演出までテンポを損なわないようにしながら気分のいいほどゲームを盛り上げてくれます。よくできた野球ゲームや楽しい野球ゲームはたくさんありますが、ここまでテンポと操作感のいい野球ゲームは決して多くありません。
 ふつうの野球ゲームとしても、ペナントレースでひたすら遊んでもいいですが基本的には愛着のあるエディットチームを持ち寄っての対戦を楽しんで欲しい作品です。単純にすべての能力を最高値にするよりも、バランス次第でヒットの出しやすい選手やホームランを狙いやすい選手、使いやすい球種が投げられる投手などを作ることができるので絶妙な配分を考えてみましょう。

 打率低めで本塁打数の多い選手にアッパースイングをさせてホームランを狙うのと、球を捕る前に送球をしようとして選手がジャンプしてしまった記憶はわりと誰にでもあるのではないかと思います。
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