銀河英雄伝説(ボーステック)

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(c)BOTHTEC

発売:ボーステック(1989) 媒体:FD ジャンル:シミュレーション
評価:★★★★☆
 有名な宇宙もの架空歴史小説を題材にした、艦隊戦ウォーシミュレーションゲームで後に多くの続編がシリーズ化されることになる、その第一作となります。舞台は未来の星間国家で、銀河帝国の若き元帥ローエングラムと自由惑星同盟の歴史家提督ヤン・ウェンリーが知勇をかけて争うというもの。原作は古今東西の歴史や伝記をもとにした作品で、物語を彩る数々の艦隊戦を争うのがゲームの内容となっています。

 ゲームは追加発売されたパワーアップキットを含めると全10シナリオで、帝国軍または同盟軍を選んでから参戦させる提督と艦隊を動かして艦隊戦や惑星占領を行います。シナリオごとの一定の目的や戦果を満たせばクリアとなり、キャンペーンであれば次のシナリオへと進みます。
 艦隊ごとに戦艦や空母、巡航艦やミサイル艦といった機能別の部隊を配備して、それぞれに自艦隊内での配置を設定できるのがシステム上の特徴。これによって艦隊内の陣形をつくることが可能で、例えば装甲と火力に勝る戦艦を前面に配して、その後ろに射程距離の長い巡航艦や、補給艦に揚陸艦といった支援部隊を配備することができます。射程距離を考えながら弧状に両翼を広げて強襲し、前進しながら射程距離は短いが攻撃力に勝る空母を前に出して近接戦闘でとどめをさすといった攻防が楽しめるでしょう。提督ごとの能力によって得手不得手も異なり、原作を知っている人であれば特に思い入れのある人を使うのも悪くないかもしれません。

 この手のゲームとしてはシステムがさほど複雑ではなく、アニメーションをする派手な戦闘画面もストレスになるほど長くないためにとにかく遊びやすいのが最大の魅力。反面、艦隊戦シミュレーションゲームとしては大味な部分も多く、後の同シリーズに見られるような前後左右の方向の概念がなかったり、索敵機能の重要性が低いこともあって単純な正面決戦が主体になってしまう印象はぬぐえません。地勢や状況次第で側背からの急襲や分断、挟撃や包囲といった銀河英雄伝説らしい戦闘ができれば文句のつけようもなかったかと思います。
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