ゴルビーのパイプライン大作戦(コンパイル)

gorby
(c)COMPILE

発売:コンパイル(1991) 媒体:FD ジャンル:パズル
評価:★★★☆☆
 かのMSX・FAN誌に投稿された秀作「水道管」をもとに市販化された落ちものパズルゲームです。目的は日ソ間の友好関係を築くために東京〜モスクワ間をパイプラインで繋ごうというものですが、どうしてそれが水道管なんだろうかと考えても意味がありません。当時のソ連大使館に申請して、ゴルバチョフ書記長の肖像権の許可を本当にもらったというある意味ものすごい作品です。たぶん落ちものパズルゲームの先駆者であるテトリスに敬意を表して、ソビエチックな雰囲気を出したかったのでしょうか。
 基本のシステムは「水道管II」を踏襲していて、2ブロックサイズのパイプが落ちてくるのでこれを組み合わせて右から左にパイプをつなげて水を流していきます。規定数のパイプをつなげれば面クリアとなって、次のステージに進むことができますが、パイプ管をすべてふさいでしまったり一番上まで積み上げてしまうとゲームオーバーになります。

 ドリルや水ボトルといった特殊なブロックやロケット発射、謎の旗振り少女のようなかわいらしい演出もあり、難易度も選べるので初心者にもおすすめできる作品ですが、単純な面クリアを目的にしてしまうと微妙に奥の深さが感じられないのでアクションゲームとしてはともかくパズルゲームとしてはどこか物足りなく感じてしまいます。本来、このゲームの魅力はがんばって無茶なパイプラインをつなげることにあるのではないかと思うので、せめて面クリア条件をパイプ数ではなくてスコアにしてくれたら無茶なパイプを組んで満足感にひたるという楽しみ方ができたのではないでしょうか。東京からモスクワまでパイプラインをつなげるのではなく、どれだけ芸術的なパイプラインをつなげるかを競うルールであれば良かったかもしれません。
 ところで水を流すよりも、パイプラインらしく石油や天然ガスを流してくれたらよりキナ臭くてファミリーコンピューターでは発売ができなかったかもしれませんがどうでもいいことですね。
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