グラムキャッツ（ドット企画）

gramcats
(c)DOT KIKAKU

発売：ドット企画(1989)　媒体：ＦＤ　ジャンル：アドベンチャー
評価：★★☆☆☆
　発売はドット企画となっていますが、ピンクソックスシリーズで有名なビッツーの製作による１８禁アドベンチャーゲームです。主人公は後にそのピンクソックスにも登場することになる女子高生の「さやか」。ごく普通の高校生として暮らしていますがあるとき突然、登校中にイーグルという組織にさらわれてしまいます。実は彼女にはネコに変身できるという超能力があって、その力を使って異星人と戦うことになるというかなり強引なお話。イーグルに協力することになったさやかは「桃桜アカデミー」という学園に潜入することになるのでした。

　ゲームはコマンド選択式アドベンチャーゲームとして進行し、かのエニックスの名作「ジーザス」を微妙に意識したように見えなくもないシステムになっていますがとにかくユーザーインタフェースが極端に悪いために操作に快適さがないのが欠点。寮の中で部屋に入るのにコツがいるとか、屋外に出かけるたびにいちいち着替えるとかかなり面倒になっています。もっとも着替えについては、１８禁作品としていちいち見せているだけかもしれません。
　とはいえ最大の売りはＭＳＸ２の作品の中でも屈指と評されるほどに美しいグラフィックと随所に取り入れているアニメーションで、いわゆるアレ系の画像が驚くほど危険なシロモノが揃っていること。当然モザイクがかかっているものの、それを解除してしまう裏技もあったりしますが正直なところモザイクをかけていても今なら間違いなく発売禁止になると思います。

　全体的に謎解きは不条理ではないとはいえ不親切なところがありますが、最初のイーグル脱出の際に通路の横を探す場所だけがちょっと気づきにくいことを除けば、あとはそれほど難しくはないと思います。導入が導入だけにシナリオもかなり強引で、猫または猫耳ヒーローに変身できるさやかですが、いまいちそれを活かせる場面が少ないのはもったいないところでしょうか。ピンクソックス一番人気の猫目少女が好きな人であれば、ぜひとも押さえておきたい作品です。
＞他の記事を見る