ぎゅわんぶらあ自己中心派2自称!強豪雀士編(ゲームアーツ)
(c)GAME ARTS
発売:ゲームアーツ(1989) 媒体:ROM ジャンル:テーブル
評価:★★★★★
人気麻雀ゲームシリーズの続編です。新メンバーは全16人で、MSXの二つのスロットに前作と同時に挿すことによって双方のメンバーを含めた対戦が可能となっているのが最大の特徴。もとのPC版ではディスクを使用することによって更に続編を出すことができましたが、MSXのカートリッジスロットは二つしかないので当然、この後の続編は出ていません。そのせいか続編3のメンバーも一部加わった豪華版になっています。MSX1には対応しておらず、2専用になっている点は注意。
前作に勝る個性的なメンバーの数々は健在で、ゲーム中の絶妙な動きやテンポが楽しく、麻雀の魅力がゲーム性だけではなく対局する相手とのコミュニケーションにもあることを表現しようとしたシステムは見事です。舞台は原作者プロデュースの雀荘ミスチョイスと周辺の下北沢、卓の仕様も全自動卓に変わり、同時起動にするとタコvsアンチタコによる勢力争いのシナリオでも遊べます。PC版との違いであれば、ソニー君仕様のβ牌が登場しませんがあまりゲーム性には関係ないので問題はないでしょう。
おなじみコンピュータによって運(ツキ)が操作されているのは相変わらずで、それを存分に利用したメンバーが登場するのも相変わらず。ことに配牌から引きまですべて役満になってしまう勝ち過ぎの金蔵(ゲーム中表記は勝ち過ぎ金蔵)のような極端な相手を登場させることができるので、これを攻略したり逆にこの人のツキを自分で味わってみる遊びかたも可能です。莫迦莫迦しいアクションも更にパワーアップ、面前であがるとハイジがヤギと一緒に踊り回ってくれるクララなどは最たるものでしょうか。
原作の中心メンバーが前作に使われているせいで、単独ではその分ものたりなく感じますが、その前作を持っていれば文句なしの作品です。一見するとキワモノ揃いに見せておいて、ふつうの麻雀ゲームとしても遊びがいがあるメンバーをバランスよく揃えているのは感心もの。ツキなしモードにすると意外な実力を発揮する人がいたり、片ちん大王にババプロが出演していたりと遠慮もありませんが、個人的には確実な実力を見せつけてくれる全自動の狼やソニー君の思考ルーチンを設計したのは見事なものだと思います。ちょっと版権や肖像権で不安になる人がたくさんいらっしゃるような気もしますが、そこは原作どおりなので何も気にする必要はありませんね?
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