ミシシッピー殺人事件(ジャレコ)
(c)JALECO
発売:ジャレコ(1987) 媒体:FD ジャンル:アドベンチャー
評価:★★★☆☆
ファミリーコンピュータで発売された、一部で有名な推理アドベンチャーゲームの移植作品です。ミシシッピー川を下る外輪船デルタ・プリンセス号に乗船していた探偵チャールズと助手のワトソンが出くわした、殺人事件を解決すべく二人は船内を捜索してまわることになります。
PCG機能を主体としたファミリーコンピュータでは大きな一枚絵の表示が難しく、しかもキーボードによるコマンド入力ができなかったために、スプライト表示で登場人物を動かしながらコマンドを選択させるという独自の手法でアドベンチャーゲームを実現した意欲作。一方で当時のユーザーに揶揄されることになる原因として、推理ものでありながら不条理な危険や謎が盛り込まれているために、客船の中に唐突に落とし穴があったりナイフが飛んでくるという不思議な船が舞台となっています。お話の穴も指摘すればきりがなく、それでいいのかと言いたくなるエンディングもどうしても気になってしまうところでしょうか。
ですが、当時のアドベンチャーゲームでは必ずしも珍しくはなかった不条理を知っていればかなり秀逸に作られた作品であり、メモ書きや同行者を利用して証拠品探しと人間関係の解明を進めていく楽しさがたまりません。概してこの手のゲームでは攻略が一本道になりがちですが、限定された空間で複合した謎をパズル的に解いていくことができるシステムはもっと評価されて然るべきではないでしょうか。MSX2版はオリジナルに比べると画像の質などで劣るので、できればファミリーコンピュータ版で遊ぶことをおすすめしたいところです。
でもエンディングはそれでいいのかと言いたくなるんですが。
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