プリンセスメーカー(マイクロキャビン)

princessm princessm
(c)MICRO CABIN/GAINAX

発売:マイクロキャビン(1992) 媒体:FD ジャンル:育成シミュレーション
評価:★★★★☆
 あのガイナックスの代表作のひとつである、あまりにも有名な育成シミュレーションゲームのシリーズ第一作、そのマイクロキャビンによる移植作品です。魔王を倒して王国を救い出した勇者である貴方は、王から差し出された数々の報奨を断って引退すると戦乱で孤児となっていた一人の娘を引き取って育てることになりました。親のない少女の父となり、育てていく道は多くの戦いよりも困難で、どんな報酬や栄誉よりも貴重なものかもしれません。

 いきなり主人公が魔王を打倒して国が救われるというオープニングを経て、一人の娘を育てていくのがこのゲームの目的です。教会や宿屋などでアルバイトをさせてお金を稼いだり、剣術や礼儀作法を教わらせたり、時にはバカンスに行ったり武者修行に送り出したりしながら娘を立派に成長させていきます。18歳になった時点の評価でゲーム名のとおりプリンセスになることもできれば、女王から近衛隊長、果ては娼館勤めまで数多くのエンディングが設けられており、特にプリンセスや女王を目指すとなればかなり厳しい条件で娘を育てなければなりません。
 攻略としてはとにかく早々に武者修行に出すことで、そこで稼げるだけ評価や資金を稼がないと正直なところ高ランクのエンディングは難しいかと思います。もちろん評価を低くするべくいろいろといかがわしい商売をさせたり、まっとうでない育て方をすることもできるんですが、自分の罪悪感と戦わなければならないために意外と無茶ができないのは、やる人の人間性次第でしょうか。なによりこのゲームの基本はデータの保存や読み込みを「駆使しない」こと、美しく成長していく娘の姿に感じる愛情を思うと、確かにこれはシミュレーションゲームではないかと思うのです。季節ごとに異なるバカンスの絵は必見。

 個人的な感想としては普通に貴族に嫁いだエンディングが素直によい内容に思えることと、オープニングの見事さが今でも他に類を見ない珠玉の出来映えだと思うことです。
>他の記事を見る