三國志II(光栄)

sangokushi2
(c)KOEI

発売:光栄(1990) 媒体:FD/ROM ジャンル:シミュレーション
評価:★★☆☆☆
 光栄の三國志シリーズ第二作。有名な三國志演義を題材に、中国大陸を舞台に群雄を駆って全国統一を図る作品です。内政を中心にして国力を上げて、計略などを利用しつつ侵攻して領土を拡大していくというシステムも基本的に前作と変わっていません。武将数が増えたりグラフィックが変わっていたり、能力値が簡略化された一方で隠しパラメータが増えたり、戦利品が手に入ったり新君主が登録可能になったりといろいろな工夫や修正が入っています。

 相変わらず蜀軍贔屓の能力値は仕方がないとして、前作と比べて面白くなったところは戦利品を部下に与えることによる能力値の上昇や、戦闘での一騎打ちや隠しイベントの追加などでしょうか。外交や諜報、輸送などを行う際に地図上を馬アイコンが移動しますが、敵国の上を通過すると捕らえられる危険があるのは面白い工夫だと思います。逆に他国の重要武将をなんとはなしに捕まえてしまうこともありますが、国境や関所の危険を表現する方法としては他に見られない手法ではないかと。なかなか後味が悪いですが、後のシリーズで定番となる貂蝉イベントもこの作品から発生します。
 一方で欠点としては前作の魅力であり三國志の醍醐味でもある、十万人規模の大部隊同士の戦闘ができなくなっている点でしょうか。両軍で五人の武将までしか参戦できないためにどうしても戦闘の規模が小さく感じられてしまうだけでなく、すぐに寝返る反骨武将や、短気な武将が勝手に一騎打ちをしてしまうので部隊を失わないために反骨と短気な武将はなかなか戦場に出せないというジレンマがあります。呂布や張飛が使いづらい、というだけで三國志の好きな人には厳しすぎる欠点ではないでしょうか(それでも参戦できる部隊数が多ければバクチ的に使うこともできるんですが)。

 今作からの新要素となる新君主ですが、配下武将が一人もいない状態ではじめるために遊び方が限られてしまうのは仕方のないところでしょうか。お勧めはシナリオ4で劉備に隣接して開始、周辺の小国を落としてから速攻で劉備軍を陥落させて、配下武将をごっそり手に入れた上で攻略するのが無難かと。
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