セイレーン(マイクロキャビン)
(c)MICRO CABIN
発売:マイクロキャビン(1988) 媒体:FD ジャンル:アドベンチャー
評価:★★★☆☆
オリジナルもののアドベンチャーゲームを数多く排出してきたマイクロキャビンでも、は〜りぃふおっくすから続く動物ものアドベンチャーの流れをくんでいる作品です。舞台は動物たちの国セイレーンで、主人公はトビネズミの少年プリル。魔王パズルにさらわれてしまった妹を助け出すために、次々と現れるパズルの手先たちと戦いながら森を抜けて魔王の城を目指します。童話調に見えて物語は英雄伝説風のファンタジーで、かわいらしい絵柄とは裏腹にほのぼのした雰囲気よりもむしろ昔ながらの冒険活劇ものとなっています。
システムはコマンド選択式、シフト+テンキーで東西南北への移動をするのがやや珍しい操作となっていますが、コマンド総当たりのきらいはありますが難易度はそれほど高くはありません。アニメーション調の演出が随所で使われており、美しい画像や音楽とあいまって効果的に物語に引き込んでくれる表現は見事。
は〜りぃふおっくすのようにハマる心配などもなく、ひたすらコマンドを入れていれば簡単にクリアができますがゲームとしては決してテンポがいいとはいえないのは残念なところです。不思議の国のアリスや冒険者たち等を思わせる、どこかで見たような登場人物(動物)たちも自然に物語に溶け込んでいますが、一方で動物の国セイレーンに暮らしている動物たちが擬人化されている姿と動物そのままの姿が混在しているのでやや不自然に思えてしまうのは欠点でしょうか。ストーリーはありきたりと言ってしまえばそれまでですが、奇をてらわない冒険活劇としてはオーソドックスで安心できるので、かんたんで誰でも楽しめる作品となっているかと思います。
物語をテンポよく見せるためにもっとかんたんにするか、アドベンチャーゲームとして手ごたえを出すために難しくするか、どちらかに偏ってくれたほうがいい作品になっていたかもしれません。
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