ウルティマIV聖者への道(ポニーキャニオン)

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(c)PONICA/ORIGIN SYSTEM

発売:ポニー(1987) 媒体:FD ジャンル:ロールプレイング
評価:★★★★★
 ウィザードリィと並ぶロールプレイングゲームの代表作、ウルティマシリーズの中でも国内では最も根強い人気を誇る第4作です。偉大なるロード・ブリティッシュが治めるブリタニアの世界で、伴に旅をする仲間を探して聖者を目指すというゲーム内容は「ボスを倒したらおめでとう」という殆どの国産作品が超えられずにいる大きな壁の存在を感じてしまいます。

 主人公である貴方が日々の喧噪を避けて郊外の草原に赴きくつろいでいたところ、とつぜんあらわれたアンクや不思議な音色、香薬の匂いに導かれてジプシーの占い小屋へといざなわれます。ここで占い師に尋ねられる質問への回答がいわゆるキャラクターメイキングとなり、例えば毒蛇に咬まれて殺してくれという瀕死の男を殺すか否か、といった質問への答えで8つの徳(誠実・慈悲・勇敢・正義・献身・名誉・崇高・謙譲)が判断されて、それに相応しい姿となってブリタニアの世界へ送り込まれることになります。
 広大な世界を歩き回り、人々と会話を繰り返すことでこの世界を導くための聖者へと到る道を探すことが貴方の目的となります。人々との会話はテキスト入力で行いますが、単語を入力するだけですので悪い意味でアドベンチャーゲーム的な難しさはありません。子供や乞食から慈悲の心を学ぶこともあれば騎士に名誉の心を教えられたり、酒場や町の人から珍しい特産品の話を聞かせてもらうこともあります。すぐれた行動を続けることで徳が高まり、仲間に認められたり謎を解くことができるようになっていきます。

 とにかく世界がしっかりと作られていて、説明書に付属している分厚い世界の書と魔法の書、布製の地図を手に広大な世界を旅していかなければなりません。ですが壁や山の向こうには視界が届かず、船に乗っても風向きを気にしなければいけない不自由さがむしろ世界の広さと旅をする楽しみを与えてくれる、これこそ冒険ができるゲームではないかと思います。ちなみに操作上の注意点として、会話時に使う長棒は−(ハイフン)を使わないと通じないので気をつけましょう。

 ちがう、ほんとうに読むんだ!
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