夢幻戦士ヴァリスＩＩ（日本テレネット）

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(c)TELENET

発売：日本テレネット(1989)　媒体：ＦＤ　ジャンル：アクション
評価：★★★☆☆
　夢幻戦士ヴァリスの続編で、ヴァリスの戦士としてログレスを打倒した主人公優子の夢にある時、親友の麗子が現れると、警告を受けた優子は再び勢力を増したヴェカンティとの戦いに身を投じることになります。残忍王メガスに率いられる、ヴェカンティの軍団に襲われる優子ですがなぜか王女ヴァリアの助けはなく、戸惑い傷つきながらも戦う優子は遂に力尽きると倒れてしまいました。

　横視点アクションゲームで、各ステージ間にビジュアルシーンをはさむ方式を取り入れた夢幻戦士ヴァリスの続編として、お約束ともいえるストーリー展開やビジュアルシーンを更に強化したという、はっきりした方向性を打ち出している潔さがある意味見事な作品。更にオリジナルのＰＣ版ではフルボイス＆フルアニメーションのオープニングを実現したり、イメージガールコンテストを開催したりと当時かなり話題になった作品でもあります。その移植作となるＭＳＸ２版ではボイス吹き替えこそありませんが、ビジュアルシーンやゲーム画面を含めて、前回のＭＳＸ版とは異なりしっかり作られた印象が強くなっています。
　基本のゲームシステムは前作と大きく変わってはいませんが、よりシューティングアクションらしくなって五種類の武器選択による戦い方の変化がなかなか楽しく、ステージの広さも適度で攻略性が増しています。一面はなぜかパジャマ姿ではじまり、おなじみのビキニアーマーやセーラー服にブレザーといった「鎧」に着替えるあたりも変わりませんが、着せ替え画面のような装備変更画面が設けられているので使えない武器を拾って困ることがなくなったのは嬉しいところでしょうか。巨大なボスキャラとの戦闘も楽しく、ステージクリアごとのビジュアルシーンも引き込まれる展開になっていますが、惜しむべきはとにかく操作感の重さと難易度の高さ。ボス直前を除くとステージ中の回復がない上に当たり判定が厳しく、よほどしんちょうに進まないと、すぐに雑魚敵に殺されてゲームオーバーになってしまいます（一方でボス敵がどれも弱いのはご愛敬）。ディフェンススーツを手に入れれば少しは楽になりますが、特に装備が揃っていない一面でたいてい挫折するでしょうし、最終面となると本当にクリアできるのか疑わしいレベル。この異常な難易度さえなければ、ゲームのイメージに反してもう少し誰にでもお勧めしやすい作品になれたのではないかと思います。

　それにしても優子の出生の秘密がそれはそれで定番っぽくていいんですが、明と暗のバランスがとれた云々というお話はいったいどこにいったんでしょうか。
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